常に案件が足りないから、玉だけはいっぱい掴んでおきたい。
国内で湿式の調湿機を取り扱う企業は珍しく、当社の湿式調湿機〈カサバー〉は、食品や医薬品の製造・保管といった低湿・低温環境が厳しく追求される現場で多く採用されています。
さらに湿式と乾式の両方を提供している企業となると、他にあまり例がありません。
高精度な湿度コントロールを必要とする"狭い世界""ニッチ市場"での知名度は高い方だと思います。
しかし特定の市場で評価されるだけでは、規模の縮小は免れません。
というのも、うちの製品は一度納品すると20~30年、〈カサバー〉に至っては40年ほど持つんです。
壊れないのでね...お客様には重宝がられますが、我々からすると、新しいものを新しいお客様に売る努力が必須となります。
とはいえ当部署の営業マンは非常に少なく、既存顧客のフォローで手一杯でした。
さらに新規案件に着手できたとしても、ほぼオーダーメイドかつ大規模な取引となることから成約率が低いうえ、商談から納品まで1年で終われば早い方。
5~6年経っても決まらないケースも珍しくありません。
製品の特性上、商談の進みが遅いのは致し方ない面があります。
その分、案件不足を補うために「玉だけはいっぱい掴んでおきたい」。
狭い世界の外にある企業に、我々のことを知ってもらう方法を探していました。
営業の「あるべき姿」として、新規を追えるようになった。
そこで、産業界に発信力のありそうなイプロスを導入したところ、実際に多くの引き合いを獲得できました。
2020年の導入からしばらくは〈カサバー〉をメインにPR。
コロナ禍を意識して高機能除菌換気装置〈Twin-CEL(ツインセル)〉をプッシュしたのち、
最近は比較的リードタイムが短い乾式の〈ドライセル〉へ路線を変更したところです。
実は途中で海外のECサイトを試してみたこともあるのですが、あまり上手くいかなくて。
イプロスに不満があって離れたわけではないので、1年で辞めて戻ってきました。
やはりすぐに電話ができる、信頼できる相手とマッチングできるイプロスは安心しますね。
イプロス活用による新規顧客との接点増加は会社の考え方にも影響したようで、部内での業務の担当範囲に変化がありました。
既存フォローはなるべく技術サイドに任せて、営業サイドは新規顧客開拓に専念する方針に。
営業にとっては厳しくなったとも言えますが、本来あるべき姿だなと感じます。
10万分の1でも受注につながれば、十分すぎる効果がある。
人によって空調関係の認識レベルが異なるため、自社サイトよりも平易な内容の資料をイプロス用に制作して掲載しています。
希望の仕様が既に固まっている技術者の方々には最初から自社のWebサイトで詳細な製品情報をご案内し、
商社の方々にはイプロスを通じてお問い合わせいただくイメージです。
そして何と言っても『トップコラム』の10万通配信はインパクトがありますね。
特に〈ドライセル〉のターゲットは工場・倉庫全般と非常に幅広いので、ある種「見境なく」広告を打つからこそ発掘できる需要があるな、と。
我々の場合ひとつひとつの商談の規模が大きいですから、
たとえ10万分の1でも受注につながれば十分すぎる効果があると考えています。
2024年度の下半期は『トップコラム』を2本追加しましたよ。
昨今、温暖化の影響で温度や湿度が上がっていることから、
除湿・調湿に困りごとを抱える現場が増加傾向にあり、市場の裾野の広がりを感じます。
イプロス経由で溶接工場など思いもよらない業界から問い合わせをいただくこともあり、現地訪問を含め各所で商談が進行中です。
当社ではメインの商材が〈カサバー〉と〈ドライセル〉の2種類と限られているので、ブランディングの取り組みは特に重要。
届くべきところに情報を届け、名前を売っていけるよう、今後もイプロスを上手く活用したいと思います。
(記事の内容は2024年8月時点のものです)