広く市場に打ち出したい自信作。しかしどうやって売ったらいいのか...。
1969年の設立以来、自動車工場などの配管・設備工事を本業としてきました。
営業方式はいわゆる御用聞きが中心で、何かを「販売する」能力は全くないと言っても過言ではありません。
そんな当社ですが、顧客の依頼を受けて振動・波形解析装置〈コナンデッセ〉を開発したのをきっかけに、
10年ほど前から製品の自社開発と販売も手掛けています。
〈コナンデッセ〉はエンジン工場向けのリアルタイム異常検知システムで、
ターゲットが狭いことから依頼者を含む少数の顧客以外への展開はあまり考えていませんでした。
しかしその数年後に開発したWi-Fi
振動センサー〈コナンエアー〉は、より広く売り出していきたかったんです。
振動センサーには半世紀以上の歴史があり、発電所のタービンなど大規模で高価な設備には、たいてい1個20~30万円するような振動センサーが付いています。
そのようなセンサーは値段に比例するように高性能ですが、実際そこまでの性能は求められない現場も多い...
つまり、必要十分な性能を備えた安価な製品を作れたら、市場の裾野は広いというわけです。
当社は昔から本業の現場で独自のポータブル振動センサーを使っていたので、それを基にユーザー目線で〈コナンエアー〉を開発しました。
安価でも精密な診断を可能にする特許技術を採用しており、1個税別3万円から導入可能。
様々な現場で"機械の健康診断"に活躍する自信作が誕生しました。

イプロスのユーザーは、ブランド名ではなく内容を見て判断してくれる。
ただ、良い製品だから勝手に売れるかといえばそうではありません。
暗中模索する中でイプロスのことを知り、無料掲載を経て2018年に本格導入。
〈コナンエアー〉をメインにPRして、何もないところから6年ほどで累計2000台を売り上げるまでになりました。
製品に関する情報掲載や問い合わせの窓口はイプロスに一元化しており、
製品ページのアクセス数は毎月合計で約3万、引き合いも100件程度あります。
イプロスの主なユーザー層は、
明確に「自分の欲しいもの」を探しにくる技術者です。
こちらが必要な情報を載せていれば、
彼らはネームバリューに左右されずきちっと評価してくれる。
我々のような小さな会社にとって特にありがたい環境と感じます。
そして何より、
商社等の販売パートナーを得たことが大きいです。導入時には全く想定していなかったので嬉しい誤算でした。
今では4~5社が製品を取り扱ってくださり、販売後のサポートも商社や現地企業に任せるケースが多いです。
おかげで全国展開が可能になり、最近も小笠原の下水処理場からの注文を受けましたよ。
商社からの引き合いがあった背景には、エンドユーザーの要望があったと聞きます。
商社は市場のニーズを見て動きますから、単純に「うちの商品を売ってください」と頼めば売ってくれるわけではありません。
当社の場合、最初からパートナーを募るのではなく、地道に製品をPR
してエンドユーザーの支持や興味を集められたことがプラスに働いたと感じます。
当社からも見込み客の情報を提供しているため、成約率が高いそうです。
こうやって売れる根拠を示し、Win-Winな関係を築けるのもイプロスがあってこそだと思います。
海外展開にも注力。競合他社も含めて連携していきたい。
我々の製品や技術を評価してくれる人たち、求めてくれる人たちとの出会いの場としてイプロスは頼りになりますね。
最近はDX
・モニタリング市場が盛り上がりを見せる中、
モニタリングセンサーのひとつとして〈コナンエアー〉を採用してくれる大手の連携先を確保できました。
また、ここ数年は海外展開に注力しており、世界中のパートナーを探して認証取得をはじめとした体制づくりに取り組んでいます
。
当社が広く製品を売り出すためには販売パートナーと協力するのが近道、と教えてくれたのはイプロスです。
製品開発から周知、販売、アフターフォロー...全てにおいて、多くの企業や関係機関、そして顧客の力を借りてきました。
当社からもメリットを提供できるよう努力しながら、引き続き共に成長できればと思います。
さらに、それは競合他社も例外ではありません。
「競合は敵ではない。競争はしていいけど、連携もしていいでしょ」と思うんです。
実際にイプロス経由で数社の大手同業他社からコンタクトがあり、技術的な情報交換の場を設けました。
大手には大手の、当社には当社の持ち味があります。
商流などの問題でうまくいかないこともありますが、適材適所で協力していきたいです。
(記事の内容は2024年8月時点のものです)