業界の潮目が変わる中、自社に足りないのはブランディングだった。
会社が小規模なこともあり、人手不足も相まって、当社は長らく「営業職不在」でやってきました。
展示会でマッチングする機会があれば新規案件が始まることもありましたが、
基本的には主に特定の数社のみに〈マイクログルーブロール〉と装置を併せて納入する形で十分仕事が回っていました。
5年ほど前までは、「製品の良さは理解したが、具体的な検討は何か問題が起きてからでいい」という顧客も多かったんです。
根本的な解決策ではないものの、フィルムが厚かった時代は高張力で生産すれば製品不良を防ぎつつ、
高速かつ許容できる仕上がりで生産が可能だったからです。
しかし、業界の潮目が大きく変わりました。
フィルムの薄膜化に伴う剛性の低下により高張力そのものがフィルムにダメージを与えるようになってきたんです。
低張力化が求められる一方で、「ダメージを抑えるために単純に張力を下げると、蛇行とそれに伴うシワや傷が発生して歩留まりが悪化する。
かといって、搬送速度を落とすと生産性も落ちてしまう」という矛盾が生じ、現場としては打つ手がない状況でした。
これに対する合理的な打開策として、ロールを交換するだけで蛇行を防止でき、
低張力で高速搬送が可能な設備へと改良できる〈マイクログルーブロール〉に注目が集まるようになりました。
必然的に当社の売上も上がり、時代が追いついたような感覚です。
ただ実は〈マイクログルーブロール〉は商標や固有名詞ではなく一般名称のため、他社からも同一名称で販売されているんです。
我々には長年培ってきた製作・運用のノウハウと知見があり、それに基づく技術力はどこにも負けない自信があります。
業界内の評価や知名度をある程度獲得している実感もあります。
しかし、必ずしも実態と関係なく、目に触れる機会が多いものが信頼・支持を得やすいのが世の摂理ですよね。
いわゆる"大手"の持つアドバンテージに対抗していくため、
当社も高品質な製品・サービスを提供するだけでなく「ブランディング」に取り組むべきと考えました。
会員・閲覧者が多く業界内の信頼が厚いイプロスを使えば箔が付く。
ブランディングを図る...
顧客のマインドに"ウェブハンドリングといえば若水技研"というイメージを
刷り込む方法を模索し、様々な手を打ちました。
たとえば
経産省の「地域未来牽引企業」をはじめとした公に価値のある認定や賞の獲得、国内外での特許取得、
自社サイトの刷新、オウンドメディアの設立、「『きれいに巻ける』
を創造する」といったキャッチコピーの作成。
経験豊富な営業マンも新たに迎えつつ、企業価値向上に力を入れました。
そして同時に重要となるのが、
自社の情報をいかに多くの方に届けるかです。
信頼性の高い媒体に自社の情報を蓄積する・露出を増やす・未知の顧客に情報を発信する...といったことが有効になりますが、これらを一度に実現できる手段として、当社ではイプロスを採用しました。
業界最大級のポータルサイト、つまり「みんなが見ているもの」に窓口を作っておくのは当然悪い話ではないですよね。
みんなが見ているからこそ、イプロスサイトに情報を掲載することで"箔が付く"。
メルマガ系の広告商品を使えば、
未知の顧客へ一気に情報発信
することが可能です。
とはいえ契約したらそれだけで絶大な効果が出るわけではなく、初年度は驚くほど無風でね。
「これなら展示会に2
回出した方がええんちゃうか」という話まで出ましたよ。
ただ当社のターゲットは掲載企業全体から見ればかなり狭いので、
不特定多数に向けて送る『トップコラム』は不向きなのではと仮説を立てて、
特定の分野に興味のある人に絞って配信できる『特集コラム』や、専用のWeb
ページで視覚的にPR
できる『タイアップ』を
展示会のタイミングに合わせて打つなど工夫してみたところ、一定の成果が出るようになりました。
イプロスを使いこなすには、自社の課題や事業・製品の性質に合わせて、適した広告商品とタイミングを選ぶのが肝。
今は的を射たイプロスの使い方ができていると思います。
半世紀にわたり培った技術力・開発力を効果的にPR 。
これまでは〈マイクログルーブロール〉の現場導入に関してはパイオニアであるという自負のもと、
他社の動向は気にしないスタンスでしたが、類似品の導入状況を目の当たりにするとそう言ってもいられなくなりました。
当社の〈マイクログルーブロール〉には製作するうえで明確な設計根拠があり、その品質と性能・効果を保証できること、
多種多様な設備に対する運用経験に基づいた的確なコンサルティングができることをより強く印象付けていきたいですね。
今後も特殊仕様のスリッター等に加え、
ある程度汎用的に使えるようなセミオーダーの自社製装置のラインアップを充実させていく予定。
また、特許を取得した非接触式衝撃波クリーナーも発表し、多数の企業様と導入に向けたテスト等も実施しています。
さらに、他社との差別化は図っていきたいので、旋盤・フライス・平面研削分野での超微細溝加工(ナノ加工)などにも大型の投資を行い挑戦中。
新製品の告知など、初めにドンとアピールするためにイプロスを活用するつもりです。
マンパワーの問題で量産への対応が難しいという弱点はある一方、当社には原理原則に則り、
研究や論文発表段階のものを現場に落とし込んで商品化・量産する力..."1
台目を作る"力があります。
ブルーオーシャンの領域を目指し、「世の中にない装置を作ろう。『机上にはあるけれど市場にはないモノ』を作ろう」という気概を持って、今後もウェブハンドリング分野の発展に貢献していきたいです。
(記事の内容は2024年7月時点のものです)