前回は、PLC で使われているデバイスを紹介しました。最終回となる今回は、ラダー図の書き方を解説します。ラダー図はPLC で使われているプログラムです。リレーに配線をするように、パソコン上でコイルや接点など入力します。入力方法の自由度が高く、同じ動作でもさまざまな書き方が可能です。ただし、ラダー図を作った本人しか解読できないということにならないように、動作部分などにおいては、ある程度書き方が統一されています。
第6回「プログラム作成」を解説していきます。
1. I/O とは
PLC 機器の入出力は、INPUT とOUTPUT の頭文字を取って、I/O(あいおー)と呼びます。PLC 以外の機器でも使われている用語です。三菱電機製のPLC では、デバイスの記号は入力がX、出力がY です。PLC端子台のX1 とCOM を短絡させ、信号を入力すると、ラダー図上ではX1の接点がON、OFFになります。また、ラダー図上でY0をONにすると、PLC 出力端子のY0とCOM 端子間がつながります。
2. 歩進制御の書き方
装置などを順番に動作させることを、歩進制御といいます。これを実行するためには、さまざまなラダー図の書き方が考えられます。ここでは、一般的に使われている書き方を紹介します。例えば、図1 のような動作で考えてみましょう。
1:スイッチを押す
2:シリンダ前進
3:シリンダ前進でチャックが閉まる
4:チャックが閉まるとシリンダ後退
5:シリンダ後退でチャックが開く
シリンダが前進しているのか、後退しているのかを確認するには、シリンダセンサ(リードスイッチ)を用います。シリンダのピストンに入っている磁石が、前進側、または後退側のセンサに反応し、これにより、シリンダの状態が分かります(図2)。この情報は、シリンダセンサからPLC に入力されます。
重要なのは、必ず1 ~ 5 の順番通りに動作を行うことです。例えば、外部からの力でシリンダを無理やり前進させ、シリンダの前進端センサをON にさせることで、チャックが閉まる動作以降が行われても、条件をクリアしていません。必ず1 のスイッチを押すことでしか連続した動作が行われないように、ラダー図を作る必要があります。図3 は、スイッチ、シリンダ、チャックの動作の前半部分です。自己保持を使って書きます。
図3 の動作を詳しく解説します。まず、スイッチを押すとX0 がON になります。するとM0 がON になって自己保持状態になります(ここではM4 のB 接点は無視してください)。M0 をON にするとシリンダが前進し、前進端まで達すると、X2 のシリンダセンサがON になります。するとM1 がON になり、チャックが閉まります。M1 の条件にM0 の接点が入っているため、スイッチを押してシリンダを前進させる動作を行わないと、M1 はON になりません。すなわち、シリンダを人力などで無理やり押して前進させ、X2 の前進端をON にしても、M1 はON になりません。
ラダー図を書く場合、前のコイル(M0)が次のコイル(M1)の条件になるように書く必要があります。また、どこまで動作したか記憶しておくために、自己保持を掛けていきます。これが基本的な動作部分の書き方です。同じように後半部分も見ていきましょう(図4)。
M1 をON にするとチャックが閉まり、閉端まで達するとX4 がON になります。すると、M2 をON にしてシリンダが後退します。シリンダの後退が完了するとX3 がON になり、M3 もON になります。チャックが開くとM4 がON になります。
M4 の接点は、この回路の先頭M0 の自己保持条件にB 接点で入っています(図3)。すなわちM4 がON になると、M0 の自己保持が解除されます。M0 の自己保持が解除されるとM1 も解除されます。最終的にはM3 までの自己保持が解除され、M4 もOFF になります。このM4のようなコイルをサイクル完了と呼びます。一連の動作が完了すると、全ての自己保持を解除して再度動作できる状態にします。
以上が、一般的に使われているラダー図の書き方です。このように書くことで、必ずM0 からM4 まで順番にON になり、途中からON になることはありません。
3. 出力の書き方
全6回で下記の内容を解説しています。