前回は、シーケンス制御の概要を紹介しました。今回は、リレーを使ったシーケンス制御を解説します。リレーは、コイル(電磁石)を使って接点を開閉する電気部品です。リレーを用いることで、複雑なシーケンス制御を容易に実現できます。
第2回「リレーを使ったシーケンス制御」を解説していきます。
1. リレーの使い方
リレーの内部は、コイルと接点で構成されています。コイルに電流を流すと、接点が磁力によって引っ張られ、物理的に開閉動作を行います(図1)。
リレー接点の構造には、a 接点とb 接点があります。a 接点は、コイルに電流を流し、接点がONになったときにつながる接点です。これに対し、b 接点は通常OFF にした状態で、コイルに電流を流し、接点がON になったとき離れる接点です。接点は磁力によって引っ張られてON になります。しかし、コイルに電流を流していないときは、ばねにより反対側に戻されます。この戻された側がb 接点です。
図1 を見ると、接点には、a とb とc という部分があります。a 接点はc-a 間です。また、b 接点はc-b 間です。a-b 間のような使い方は、通常しません。a 接点として使うには、c の部分とa の部分に配線作業を行います。ただし、直接この部分に配線するわけではありません。実際に配線する部分はリレーの外部にあり、一般的にはソケットを使います。
ソケットには端子ねじが付いていて、リレー接点やコイルに対してねじ止めでき、取り外しも可能です。ソケットの端子台の並びは、基本的にどのメーカも共通です(図2)。
実際のリレーの回路図を見てみましょう。
図3 の回路では、電源に交流電源を使っています。押しボタンを押すと、リレーに電流が流れ、リレーがON になります。リレーがON になるとリレー接点もON になるので、電球にも電流が流れ、点灯します。読者の中には、リレーを使わずに、押しボタンだけで電球をON にすればいいのでは、と思った人もいるのではないでしょうか。そのとおりです。この回路の場合、押しボタンだけで動作させることが可能です。では、次の回路はどうでしょうか?
図4 の回路では、電球がLED に変更されています。LED は交流では点灯しません。電源電圧も異なるので、押しボタンでLED に直接電流を流すとLEDは破損します。そこで、リレーを使います。リレー接点を使い、直流電流を流すことで、LED は点灯します。このように、制御側の電源と、動作側の電源の種類が違う場合、リレーを使い、中継して動作できます。実際、PLC からの出力信号は小さいため、大型モータなどは動作できません。
2. 自己保持
自己保持は、リレー接点を使って同じリレーのコイルに電流を流し続けることをいいます。以下の回路図を使って説明します。後に、複数のリレーが登場するので、リレーには、CR1 のように番号が振られています。
この場合、押しボタンが押されている間だけCR1 のリレーがON になります。押しボタンを放すと、リレーはOFF になります。では、次の回路図はどうでしょうか。
図6 の回路では、リレー接点は、押しボタンと並列に接続されています。また、リレー接点にもCR1 と書かれており、これはCR1 の接点を使っていることを示しています。この場合、押しボタンを押すと、CR1、およびCR1 の接点もON になるので、電流は、押しボタンとCR1 の接点の2 か所からCR1 のコイルに供給されます。このとき、押しボタンを放しても、電流はCR1 の接点からコイルに供給され続けるため、CR1 はON の状態を維持します。すなわち、押しボタンを1 度押し、CR1 をON にすれば、押しボタンを放してもCR1 はON になり続けます。この機構は、自分の接点で自分のコイルをON にし続けるため、自己保持と呼ばれます。
3. リレーで制御する
全6回で下記の内容を解説しています。