AISASとは?メリットやAIDMAとの違い、効果的な活用方法を解説

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2025.03.19

ビジネス知識

AISASとは?メリットやAIDMAとの違い、効果的な活用方法を解説

 

AISASとは?メリットやAIDMAとの違い、効果的な活用方法を解説

マーケティング活動において、消費者の購買行動を理解することは非常に重要です。そのための有力な手法の一つが「AISASモデル」です。

AISASは、消費者が商品を購入する過程を「認知」「興味」「検索」「行動」「共有」の5つの段階に分け、それぞれに適したマーケティング施策を講じることができるモデルです。このモデルを活用することで、消費者の行動を的確に捉え、効果的な施策を行うことが可能となり、企業はより高い成果を上げることができます。

デジタル化が進む現代において、特に「検索」や「共有」といった要素が重要な役割を果たしているAISASを理解することは、マーケティング戦略に欠かせない要素となるでしょう。本記事では、AISASモデルの基礎からBtoBマーケティングにおいてどのように活用できるかまで、具体的な施策例を交えて解説していきます。

1. AISASの基礎知識

AISASは、消費者の購買行動を理解し、効果的なマーケティング戦略を構築するためのフレームワークです。
特に、インターネットが普及した現代においては、消費者の購買プロセスがAIDMAなどの従来のモデルとは異なる形で進行することが多いため、AISASモデルの重要性が増しています。

詳しくは後述しますが、AISASは次の5つのステップから成り立っています。

Awareness(認知)

消費者が製品に初めて触れる段階。

Interest(興味)

消費者がその製品に対して興味を持ち始める段階。

Search(検索)

消費者がインターネットなどで製品情報を検索し、より深く知ろうとする段階。

Action(行動)

実際に契約などのアクションを起こす段階。

Share(共有)

購入後、製品のレビューを共有し、他の消費者に影響を与える段階。

このモデルが生まれた背景には、インターネットの普及により、消費者が情報を自分のペースで収集し、他者と情報を共有することができるという新しい購買プロセスが台頭し始めたことがあります。これにより、マーケティング活動も消費者の行動の変化に合わせた対応が求められるようになったのです。

2. 各段階における効果的なBtoBマーケティング施策

BtoCとは異なり、複数の意思決定者が関与し、取引額が大きく、購買サイクルが長いことが特徴のBtoB。AISASモデルをBtoB向けに活用することで、企業はより効率的にターゲット企業と接点を持ち、意思決定プロセスに合わせた戦略を展開できます。

以下では、BtoBマーケティングにおける各段階の具体的な施策をご紹介します。

1. 認知(Awareness)段階

BtoBマーケティングにおける認知段階では、ターゲット企業が自社の存在を知ることが最も重要です。この段階では、業界に特化した高品質なコンテンツを提供することが効果的です。

施策の例

・業界ニュースやトレンドに基づいたブログ記事やホワイトペーパーの公開
・専門的なウェビナーやオンラインセミナーの実施
・業界特化型フォーラムや展示会を利用したプロモーション
・業界の権威あるメディアでの露出やPR記事の掲載

企業は「業界知識を提供するエキスパート」として認識されることを目指し、信頼を築くことが重要です。

2. 興味(Interest)段階

認知を獲得した後は、ターゲット企業に自社のサービスや製品への興味を持たせる段階です。この段階では、具体的な課題解決を示すことで、関心を引きましょう。

施策の例

・ターゲット企業の抱える課題を解決するケーススタディや事例の紹介
・競合分析や市場データを活用したインフォグラフィックスやレポートの提供
・顧客との対談やインタビュー動画の公開
・ターゲット企業にとって有益なツールやテンプレートの無料提供

ターゲットが実際に抱えている問題に焦点を当て、どのように自社の製品やサービスがその解決に貢献できるのかを示すことが、興味を引きつけるポイントとなります。

3. 検索(Search)段階

ターゲット企業が解決策を求めて積極的に情報を検索するタイミングです。BtoBの場合、検索は非常に重要で、特にSEO(検索エンジン最適化)対策が効果を発揮します。

施策の例

・ターゲット企業が検索しそうなキーワードを狙ったSEO対策
・製品やサービスに関する詳細な情報を掲載したランディングページの作成
・検索に引っかかりやすいよう、FAQページやケーススタディの充実
・ホワイトペーパーやeBookをダウンロード可能にし、リード情報を取得

SEO対策を強化し、企業が自社の情報を簡単に見つけられるようにすることが重要です。

4. 行動(Action)段階

行動段階では、ターゲット企業が実際に製品やサービスを購入するための具体的なアクションを取る段階です。ここでは、購入決定を後押しするための施策が重要となります。

施策の例

・無料トライアルやデモ版を提供して、製品の使用感を実際に体験してもらう
・パーソナライズされた提案書や見積もりの迅速な提供
・購入を決定するための限定オファーや割引の提供
・企業のニーズに特化したコンサルティングサービスの提供

この段階では、具体的な購入インセンティブを提供することで、ターゲット企業の決断を後押しします。

5. 共有(Share)段階

BtoBでは、企業間での情報共有や推薦が非常に重要です。

施策の例

・顧客に対して、製品やサービスの使用経験をソーシャルメディアでシェアしてもらうインセンティブを提供
・成功事例や顧客の声をWebサイトやSNSでシェアし、他の企業に参考にしてもらう
・業界イベントやカンファレンスで顧客の成功事例を発表し、他社にインスピレーションを与える
・サンクスページでレビューを促せるようサイトを構築する

信頼性の高い第三者からの推薦やレビューは、潜在的な顧客に対する強力な影響力を持ちます。積極的に顧客にシェアを促すことで、新たなリードを生み出すことが可能です。

3. BtoBマーケティングでAISASを使用するメリット

BtoB企業において、顧客との関係構築は長期的な成功を左右する重要な要素です。

消費者行動モデルである「AISAS」を活用することで、BtoB企業は消費者(他企業)の行動を段階的に理解し、それに基づいた的確なマーケティング戦略を展開することが可能になります。AISASは、特にデジタルマーケティングにおいて非常に有効であり、以下のようなメリットを提供します。

1. 顧客行動の理解とターゲットの絞り込みができる

BtoB取引は複雑で、意思決定者が複数いることが一般的です。AISASを活用することで、顧客がどの段階にいるのかを把握できるため、購買プロセスを効果的にナビゲートできます。

「認知」段階で業界におけるリーダーとして自社の名前を広め、「興味」や「検索」段階では、ターゲット企業の具体的なニーズに応じたコンテンツを提供することが可能になります。これにより、企業は絞り込んだターゲットに対して効果的にアプローチできます。

2. 購買プロセスの各段階に最適なアプローチができる

BtoBマーケティングでは、顧客の購買決定に至るまでのプロセスが長く、各段階で異なるニーズが生じます。AISASモデルでは、「認知」「興味」「検索」「行動」「共有」の5つの段階を明確に定義しており、それぞれに合わせた戦略を取ることができます。

例えば、検索段階ではSEOを強化し、行動段階ではデモンストレーションやパーソナライズされた提案を行うといったアプローチを取ることができます。これにより、ターゲット企業の購買プロセスを最適化し、最終的なコンバージョン率を高めることが可能です。

3. デジタル施策との連携で高い効果を発揮する

デジタルマーケティングが主流となる中で、BtoB企業はオンラインでの接触機会を最大限に活用する必要があります。AISASを活用することで、SEOやSNS、コンテンツマーケティングなど、デジタル施策との連携が強化され、効果的にターゲット企業へリーチできます。

例えば、検索段階ではターゲット企業が検索するキーワードを徹底的に分析し、SEO対策を施すことで、企業のWebサイトへの流入を増加させることができるでしょう。また、共有段階では、成功事例や顧客の推薦をSNSや業界イベントでシェアすることで、新たなリードを創出できます。

4. 顧客との信頼関係を構築しやすい

BtoBの取引は一度の商談で終了することは少なく、長期的な信頼関係の構築が重要です。AISASモデルでは、特に「共有」段階において、顧客が他企業に対して自社の製品やサービスを推薦する場面が強調されています。

このような口コミ効果を活用することで、他企業に対する信頼性を高め、次の商談に繋げることができます。顧客が自社の成功事例を積極的にシェアしたり、業界内で推薦したりすることで、さらなるビジネスチャンスが生まれるのです。

5. 結果の測定と改善が容易に行える

AISASモデルは、消費者行動を明確な段階に分けるため、マーケティング活動の成果を測定する際に非常に有用です。例えば、各段階でどの施策が効果的だったかを分析することで、次回のマーケティング施策に活かすことができます。これにより、効果的な戦略を継続的に強化し、より高いROIを得ることができます。

4.AISASとAIDMAの違い

AISASとAIDMAは、同じ消費者行動モデルとして混同されることもありますが、異なる点も多くあります。
AISASはAIDMAの進化系と位置付けられるため、ふたつのモデルの違いを理解して効果的に使用しましょう。

AIDMA

AIDMAモデルは、消費者の行動を「注意→興味→欲求→記憶→行動」と段階的に説明します。これは主にテレビや新聞など、メディアを介した一方的なコミュニケーションが主流だった時代に使われていたモデルです。

AISAS

一方、AISASはインターネットが普及した現代に適応したモデルです。特に「検索」や「共有」という段階が新たに加わり、消費者が自分のペースで情報収集を行い、他者と共有することが前提となっています。

AISASは消費者の双方向的な情報収集を反映しており、デジタル時代の購買行動をより適切に表していると言えるでしょう。

5. 類似する他の消費者行動モデルの紹介

AISASに似た消費者行動モデルとしては、他にも以下のようなものがあります。

AIDA(Attention→Interest→Desire→Action)

AIDAモデルは、消費者の行動を注意・興味・欲求・行動という4段階で説明します。
AISASと異なり、「検索」や「共有」の段階が含まれていません。

STP(Segmentation→Targeting→Positioning)

STPは、消費者をセグメント化し、ターゲットを絞り、ポジショニングを決定する戦略的なモデルです。
AISASと組み合わせることで、より効果的なマーケティングが可能になります。

6. まとめ

AISASモデルを活用することで、消費者の購買プロセスを5つの段階に分け、それぞれの段階に最適なマーケティング戦略を実施することができます。AISASは、特にデジタル時代における消費者行動を反映したものであり、「検索」や「共有」の要素を取り入れることで、企業はより多くの見込み顧客にリーチし、購買行動を促進することができます。

また、BtoBマーケティングにおいても、AISASは顧客企業の購買プロセスを理解し、効果的なアプローチを設計するための強力なフレームワークです。BtoB取引では、購買意思決定に複数の関係者が存在し、意思決定までのプロセスが長期化する傾向にあります。そのため、各段階で適切な情報提供や信頼構築を行うことが成功の鍵となります。

AISASを活用すれば、「認知」段階で業界への知見を示しながら存在感を高め、「興味」段階で具体的な課題解決策を提示できます。「検索」段階ではSEOやコンテンツマーケティングを駆使してリード獲得を促進し、「行動」段階ではパーソナライズされた提案やデモの提供で意思決定を後押しします。そして、「共有」段階では、成功事例や顧客の声を活用して、他企業への影響力を高めることが可能です。

デジタル時代におけるBtoB企業のマーケティング活動では、AISASは単なるモデルに留まらず、長期的な関係構築と成果創出のための指針となります。顧客企業の行動を理解し、それぞれの段階に寄り添った施策を講じることで、信頼を築きながらビジネスチャンスを最大限に広げることができるでしょう。AISASを戦略に取り入れ、BtoBマーケティングを一歩先へと進めていきましょう。

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