前回は、メカトロニクスにおける自動化システムと産業用ロボットを解説しました。最終回の今回は、メカトロニクスと、IoT・AI の連携について説明します。人の代わりに稼働する自動化システムや、人の手の代わりに作業をこなす産業用ロボットの活躍は、目を見張るものがあります。今後は、自動化システムや産業用ロボットと、IoT やAI との融合が加速され、メカトロニクス機器の需要が高まるでしょう。
第9回「メカトロニクスとIoT、AIの連携」を解説していきます。
1. 自動化・産業用ロボットを補完するIoT・AI 技術
自動化システムや産業用ロボットは、製品を生産するのが大きな役目です。例えば、自動化システムは長時間、同じ品質で、安定した製品を生産することができます。産業用ロボットは、繊細な作業を安定して行うことができます。人手不足が深刻化する昨今、とても重要な存在です。しかし、これらは作業を確実にこなすだけの機械システムです。工場には、ロボットには任せられない、人間でなければできない作業が数多く残っています。この課題を解決する方法として、自動化システムや産業用ロボットと、IoT やAI 技術との融合が注目されています(図1)。
2. IoT 技術で自動化から自律化へ
IoT は、Internet of Thingsの頭文字を取ったもので、モノのインターネットと訳されます。あらゆる機器がサーバを介してネットワークに接続され、それぞれの機器が自律的に通信・制御を行うシステムです(図2)。IoT を導入することにより、現状把握(見える化)がしやすくなります。例えば、機械やロボットの稼働状況を常に計測し、インターネットを介して、情報を共有・一元化します。これにより、ボトルネックとなる作業を見つけたり、工程ごとの生産性の違い比較して改善活動につなげたりしやすくなります。また、多くの電力を消費する工場では、稼働状況を正確に把握し、電力を効率化することもできます。
IoT の導入する場合、端末側のセンサが鍵です。4 つの項目を事前に整理しましょう。1 つ目はデータの対象で、センサや設備から、どんなデータを取得するのかということです。2 つ目はデータの発信で、どのようなタイミングでデータが発生し、データ発信の精度はどうかということです。3 つ目はデータの連携で、センサや設備からサーバ環境までどのように配線・連携させるのか。4 つ目はデータの活用方法で、収集・分析・蓄積したデータの結果をどのように使うのかということです。
3. RPA とAI 技術で自動化から自律化へ
全9回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 メカトロニクスとは
- 第2回 メカトロニクスの構成要素
- 第3回 メカトロニクスのメカニズム技術
- 第4回 メカトロニクスのアクチュエータ技術
- 第5回 メカトロニクスの電気・電子回路技術
- 第6回 メカトロニクスのセンサ技術
- 第7回 メカトロニクスの制御技術
- 第8回 自動化とロボット技術
- 第9回 メカトロニクスとIoT、AIの連携