前回は、板金加工の展開を紹介しました。今回は、板金加工とプレス加工の共通点・相違点を解説します。板金加工とプレス加工は、どちらも同じ形状の製品を作ることができ、多くの共通点があります。完成した製品だけを見ると、どちらの加工法で作られたのか、区別が難しいこともあります。しかしながら、両者にはそれぞれ長所・短所があり、求める製品を作るために、板金加工とプレス加工のどちらを選択するかは、品質・コスト・納期(QCD:Quality、Cost、Delivery)を考慮して総合的に判断する必要があります。
第5回「板金加工とプレス加工の共通点・相違点」を解説していきます。
第5回もくじ
1. 板金加工とプレス加工の共通点
板金加工とプレス加工の共通点は、前工程で材料をせん断することです。穴開けや外形抜きでも、金型を利用したせん断が利用されます。せん断加工では、加工面にバリ(ギザギザした突起)が発生します(図1)。バリは製品にとって好ましくないため、取り除く必要があります。 (参考:せん断加工とは?:プレス加工の基礎知識6)
通常、バリは工具の進む方向(抜け側)に発生します。そのため、バリが製品のどちら側に発生するのか、せん断する方向を考慮して設計する必要があります。
板金加工では、例えば短尺材のせん断加工などでスピードが要求される場合、バックゲージを利用することがあります。この場合、製品の左右でせん断の性状が異なります。これが原因で、追加加工作業が発生したり、曲げ加工部分に割れが生じたりするなど、想定外のコストアップにつながることもあるので、注意が必要です。
2. 板金加工とプレス加工の相違点
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 板金加工とは
- 第2回 板金材料の特性
- 第3回 板金加工のメリット・デメリット
- 第4回 板金加工の読図・展開とは
- 第5回 板金加工とプレス加工の共通点・相違点
- 第6回 板金加工の品質維持
- 第7回 板金加工の安全対策