クラウドサービスの普及が進む中でも、あえて自社内でのシステム運用を選ぶ企業は少なくありません。
特に機密性の高いコンテンツを扱うコンテンツ制作・配信サービス業においては、
「自社管理」にこだわる選択肢として「オンプレミス(On-Premises)」が再評価されています。
オンプレミスは、柔軟性よりもコントロール性とセキュリティを重視する企業にとって
有力なインフラ設計手法のひとつです。
本記事では、オンプレミスの定義と特徴、導入が求められる背景、活用場面、注意点について詳しく解説します。
オンプレミスとは何か?
オンプレミス(On-Premises)とは、サーバーやネットワーク機器、
アプリケーションなどのITインフラを、自社で所有・運用・管理する方式を指します。
クラウドサービスとは対照的に、企業が自社内または自社が契約するデータセンターで物理的なインフラを構築し、
すべての運用を自ら行う点が特徴です。
主な特徴は以下の通りです。
オンプレミスは「自社で全てをコントロールしたい」
「外部に情報を出したくない」といったニーズを持つ企業に選ばれる設計手法です。
コンテンツ制作・配信サービス業におけるオンプレミスの活用シーン
(1)機密性の高い映像素材や原版データの保護
映像制作においては、編集前の素材や未公開コンテンツが漏えいするリスクを最小限に抑える必要があります。
オンプレミス環境では、データが社外のクラウドに出ることがなく、
アクセス管理やネットワーク制御を自社内で徹底できます。
(2)大容量データを日常的に扱う制作現場
高解像度映像や長尺コンテンツの制作では、数百GB〜数TB単位のデータが発生します。
こうした大容量データを迅速に読み書きするためには、
高速ローカルストレージと低遅延ネットワークが求められます。
オンプレミスはこうしたニーズに即応可能です。
(3)ライセンスや業務システムとの高度な連携環境
多くの映像制作環境では、編集ソフトや特殊なエフェクトツールが
特定のワークステーションやネットワーク構成を前提としています。
オンプレミスにより、これらの環境を細かく調整し、最適なパフォーマンスで運用できます。
(4)長期的なアーカイブと災害対策としてのデータ保全
一定期間の保存義務がある映像データ、契約上再利用が必要な素材など、
長期保存に適した設計もオンプレミスなら柔軟に対応できます。
また、物理的な分散バックアップやRAID構成による冗長化など、災害対策も自社方針で構築可能です。
オンプレミス環境の設計・運用におけるポイント
初期投資とTCO(総保有コスト)の見積もり
オンプレミスはクラウドに比べて導入コストが高くつくことが多いため、
機器の購入費、設置工事、保守契約、人件費などを含めた長期的視点でのTCO試算が必要です。
社内に専門スキルを持つ人材の確保
オンプレミス環境では、ハードウェアやネットワークのトラブル対応、
セキュリティ設定、アップデート管理など多岐にわたる知識が必要です。
外部委託も含めた体制構築が欠かせません。
定期的なセキュリティ対策と運用ルールの見直し
社内完結であるからこそ、脆弱性管理やアクセス制御、ログ取得などを自社で行わなければなりません。
セキュリティポリシーを文書化し、定期的なレビューと改善を行う体制が求められます。
クラウド連携によるハイブリッド運用の検討
全てをオンプレミスで完結させるのではなく、
長期保存や一部の外部配信部分にのみクラウドを併用する「ハイブリッド運用」も選択肢のひとつです。
柔軟性とコントロール性を両立する設計が可能になります。
オンプレミス活用のメリットと注意点
メリット
注意点
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