前回は、ドライバの種類を説明しました。今回は、ドライバのカムアウト現象、7:3 の法則、トルクスレンチを解説します。ドライバを回すとき、ドライバの先端がねじ頭から外れてしまうのがカムアウト現象です。ねじを締め付けたり緩めたりする際には、カムアウト現象を踏まえて力を加える必要があります。まずは、カムアウト現象について学んでいきましょう。
第3回「カムアウト現象とトルクスレンチ」を解説していきます。
1. カムアウト現象
カムアウト現象とは、マイナスドライバやプラスドライバを回すとき、ドライバの先端がねじ頭部のすり割りや十字穴から浮き上がる現象です(図 1)。
カムアウト(Come out)は出る、抜けるという意味で、カミングアウト(Coming out)と同じ意味です。特に、プラスドライバは外側ほど溝が浅くなり、十字穴に回転力(水平な力)を与えると、十字穴の斜面に沿う方向に力が作用するため、ドライバの先端が十字穴から押し出されてしまいます。この十字穴の斜面に沿う力が、カムアウト現象の発生原因です(図 2)。
2. 7:3 の法則
マイナスドライバやプラスドライバでねじを締め付けたり、緩めるたりするときは、カムアウト現象に負けないように、軸方向に押し込みながら回転させることが大切です。軸方向に押す力と回転させる力の割合は、7:3 が理想です(図 3)。
プラスドライバの先端と十字穴はわずかな面積で接触し、この面積で回転する力を伝えています(図 4)。カムアウトが発生し、接触面積が小さくなると、回転力によって接触面積に作用する圧力が大きくなるので、十字穴を傷めるリスクが高くなります。十字穴を損傷させないためには、ドライバの先端と十字穴の接触面積をできるだけ大きくし、圧力を小さくします。そのために、軸方向に押し込みながら回転させるのです。
3. トルクスレンチ
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 作業工具の種類
- 第2回 ドライバの種類と正しい使い方
- 第3回 カムアウト現象とトルクスレンチ
- 第4回 スパナとめがねレンチ
- 第5回 モンキレンチとソケットレンチ
- 第6回 ペンチとニッパ