前回は、作業工具の種類を説明しました。今回は、ドライバについて詳しく解説します。ドライバは簡単に使用できる一方で、ねじが壊れやすく、正しく使うのは簡単ではありません。マイナスドライバとプラスドライバの種類と使い方をしっかり理解しましょう。
第2回「ドライバの種類と正しい使い方」を解説していきます。
1. マイナスドライバ
マイナスドライバとは、先端がマイナスの形になっているねじ回しです。マイナスドライバの種類と使用上の注意について説明します。
1:マイナスドライバの種類
マイナスドライバは、普通形と貫通形、普通級と強力級、丸軸と角軸の分類方法があります。
・普通形と貫通形
マイナスドライバは構造の違いによって、普通形と貫通形の 2 種類に分けることができます(図 1)。
普通形は本体(金属部)と握り部(柄の部分)がピンで結合され、本体が握り部の途中までしかありません。貫通形は本体が握り部を貫通しており、本体が握り部の端部まで達しています。このため、貫通形は握り部の端面をハンマでたたき、ねじに衝撃を加え、緩めることができます。ただし、先端が摩耗しやすく、ドライバも損傷するため、推奨する使い方ではありません。構造上できるというだけです。普通形は本体が貫通していないので、握り部の端面をたたくことはできません。
・普通級と強力級
マイナスドライバは本体の太さによって、普通級と強力級の 2 種類に分けることができます。強力形は普通形よりも本体の太さが太く、回す力(モーメント)が大きくなります。普通級はH、強力級はNで表記されます。
・丸軸と角軸
マイナスドライバの本体には丸軸と角軸があり、角軸はスパナなどを使用することにより、大きなトルクで締め付け作業を行うことができます。
2:マイナスドライバの使用時の注意点
マイナスドライバは、ドライバの先端の幅がねじのすり割りの幅と一致するものを使用します。ドライバの先端の幅がねじのすり割りの幅より大きい場合は、ドライバの先端がすり割りに入らず、ねじを回すことができません。また、ドライバの先端の幅がねじのすり割りの幅よりも小さい場合は、ドライバの先端がすり割りに入り、ねじを回すことができます。しかし、ドライバの先端の幅がすり割りの幅よりも小さいと、十分な回転力を与えられないため、ドライバを回した際、ドライバの先端がすり割りから外れやすく、すり割りを損傷することになります。すり割りを損傷させる主因は、ドライバの先端の幅とすり割りの幅から生じる伱間がある状態で、回転させることです。マイナスドライバは、ドライバの先端の幅がねじのすり割りの幅よりも大きいものから順番に差し込んでいき、両者の幅が一致するものを探して使います。なお、マイナスドライバはドライバとねじの回転中心(軸中心)を一致させないと、回転力を効率よく伝えることができません(図 2)。
2. プラスドライバ
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 作業工具の種類
- 第2回 ドライバの種類と正しい使い方
- 第3回 カムアウト現象とトルクスレンチ
- 第4回 スパナとめがねレンチ
- 第5回 モンキレンチとソケットレンチ
- 第6回 ペンチとニッパ