前回は、LANの仕組みとWi-Fiについて取り上げました。今回は、インターネットの仕組みとビジネス展開、クラウドコンピューティングについて解説します。
第4回「インターネットの仕組み」を解説していきます。
1. TCP/IPからインターネットの普及まで
コンピュータがインターネットに接続して、サービスを享受するには、一定のプロトコルが必要です。インターネットでは、TCP/IPというプロトコルを使用します。TCP/IPは、TCP(Transmission Control Protocol)とIP(Internet Protocol)を組み合わせた通信規格です。
今日のインターネットは、1960年代にアメリカのARPA(AdvancedResearch Projects Agency:高等研究計画局)のARPAnetから発展しました。核攻撃に耐える信頼性の高いネットワークの実現を目指して、集中処理形態ではないネットワーク構築です。当初は1822プロトコルでスタートして1980年代、NSF(National Science Foundation:アメリカの国立科学財団)は、TCP/IPをインターネットの正式プロトコルに採用しました。TCP/IPは、パケット通信を用いたネットワーク方式です。2層構造のプロトコルを用いて、データの送信手順、エラーチェック、宛先指定、伝送速度を決め、データを小分けにしたパケット(小包)という単位で伝送します。
また、WWW(World Wide Web)とブラウザにより、ネットワークにつながれたコンピュータ情報を相互に参照できるようになりました。WWWは、スイスのCERNに勤務していたイギリスの科学者である、ティム・バーナーズ・リーにより開発されました。彼は、研究に関係のある文献やデータを1つのコンピュータに集め、その文書同士をリンクさせる仕組みを作りました。これが、WWWの始まりだといわれています。その後、Netscape、Internet Explorerなどは、ブラウザを広めるのに大きな貢献をしました。
その後、1993年、アメリカのクリントン政権下でNI(I National Information Infrastructure:国立情報学研究所)による情報スーパーハイウェイ構想がスタートしました。これにより、アメリカ全土で情報インフラの整備が進み、インターネットの普及を後押ししました(図1)。
2. インターネットへの接続
インターネットに接続するには、回線事業者とプロバイダのサービス提供が必要です。NTTなど、通信のインフラを提供する事業者を、回線事業者といいます。これに対し、プロバイダを、インターネット接続サービス事業者(ISP: Internet Service Provider)といいます。
・回線事業者とプロバイダの関係
プロバイダとは、提供者、供給者という意味です。インターネットに接続するサービスを提供・代行する業者を指します。また、インターネットに接続するには、通信事業者が提供する光ファイバー、ADSL、CATVなどの有線通信回線、またはWiMAXやLTEなどの無線通信回線といった通信インフラと、その中継役となるISPとの契約が必要です。ISPは、インターネット接続に必要なサーバへの回線提供の他、IPアドレスの発行、メールアドレスの発行・管理、ウイルスチェックなども行っています。
インターネットの普及に伴い、さまざまなサービスを提供するプロバイダが増えています。アプリケーションを提供するアプリケーションプロバイダーや、ニュース配信を行うインフォメーションプロバイダー、情報を作成するコンテンツプロバイダーなどです。また、携帯端末が普及する中、移動体通信事業者が提供するサービス、スポットなど、無料のインターネット接続サービスなどがあります。Wi-Fiの規格については、本連載の5回目以降で詳述します。
・IPアドレス
インターネットに接続されているコンピュータには、全て32ビットのIP(Internet Protocol)アドレスと呼ばれる2進数が割り振られます。IPアドレスの割り当ては、国際的にはNIC(Network Information Center)が、日本ではJPNIC(Japan Network Information Center)が行っています。
なお、2進数のIPアドレスを分かりやすくするためにドメイン名が開発されました。以下に、ドメイン名の例(下線の部分)を示します(表1)。
IPアドレスを32ビットで管理するIP規格をIPv4といいます。また、近年のインターネットの急激な普及によって、128ビットでアドレスを管理するIPv6が開発されています。以下に、IPv4とIPv6の接続可能台数を示します。Ipv6では膨大な数の端末を接続することが可能なことが分かります。
Ipv4=2
32
=4,294,967,296(台)
Ipv6=2
128
≈3.4×10
38
( 台)
3. インターネットのビジネス展開
4. クラウドコンピューティング
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 通信ネットワーク
- 第2回 無線通信の仕組み
- 第3回 LANの仕組み
- 第4回 インターネットの仕組み
- 第5回 Wi-Fiの規格
- 第6回 Wi-Fiの接続と拡張