前回は、溶接継手の種類と強度計算を紹介しました。今回は、溶接記号の種類と書き方を解説します。溶接を用いた製品・構造物の設計図面には、溶接記号が描かれています。溶接記号は、規格化された記号です。溶接記号を見れば、溶接の種類、開先形状と寸法、溶接表面形状と仕上げ方法などの指示、工場溶接または現場溶接の区別などが一目で分かるようになっています。
第3回「溶接記号の種類と書き方」を解説していきます。
1. 溶接記号の基本形
図1に、V型開先の溶接指示例と、開先方向の指示例をまとめました。
溶接記号の基本形は、矢と基線で構成されます(図1左)。矢は、溶接する箇所を指し示します。基線は、原則として水平に描かれ、基線に沿って基本記号や寸法を記入します。必要に応じて尾を描き、特別な指示を記入します。板材の開先方向は、基本記号と基線の位置で区別します(図1右)。矢の指し示す側から溶接する場合は、基線の下側に基本記号を記入します。矢の反対側から溶接する場合は、基線の上側に基本記号を記入します。V形開先形状の寸法であれば、基本記号に開先角度とルート間隔を記入し、開先深さを基本記号の左側に記入します。部分溶込み溶接の場合、開先深さの右隣に溶込み深さを記入し、溶込み深さにかっこを付けます。部分溶込み溶接で開先深さと溶込み深さが同じ場合、溶込み深さの記入は省略し、開先深さにかっこを付けて指示します。
2枚の板材の片側だけに開先を取るレ形、K形、J形、両面J形などは、基線は開先を取る板側に描きます。また、矢は開先を取る板側に向くように折れ線で描きます。
2. 代表的な基本記号
図2 に代表的な溶接の基本記号を、図3 に溶接部の表面形状を表す溶接補助記号を示します。基本記号は2 つの部材の合わせ目の形状を表しています。
3. すみ肉溶接の溶接記号
4. 現場溶接、全周溶接、非破壊検査の記入方法
全9回で下記の内容を解説しています。