前回は、溶接の種類と基本的な溶接法である被覆アーク溶接法について解説しました。今回は、溶接継手の種類と強度計算です。溶接継手の強度計算は製品不良の防止につながるので、基本的な考え方を学んでおきましょう。
第2回「溶接継手の種類と強度計算」を解説していきます。
1. 溶接継手の種類
溶接継手とは、溶接によってつなぎ合わせる材料の組み合わせ方のことです。組み合わせ方によって、突合せ継手、重ね継手、両面当て金継手、片面当て金継手、角継手、T 継手などの種類があります(図1)。溶接継手の選定は、溶接方法や板厚、応力のかかり具合などを考慮します。継手にかかる荷重の種類(引張応力、せん断応力、疲労応力など)や、荷重の大きさに十分に耐えられることが条件です。
継手の溶接量が増えると、入熱量が増えます。入熱量に比例して溶接ひずみは大きくなり、コストに影響します。そのため、できるだけ溶接量を少なくします。製品に必要な品質・コストを見極めた上で、最適な溶接量になるように設計しましょう。
2. 突合せ継手の開先
突合せ継手は、2 枚の板材を同一平面で突合せる溶接継手です。大きな荷重が加わる場合は完全溶け込み溶接(部材の板厚全体を溶かし込む溶接法)、荷重が小さい場合は部分溶け込み溶接を行います。突合せ継手で強度が必要な場合には、板材と板材の合わせ目に開先(かいさき)、またはグルーブと呼ばれる溝を設けることがあります。開先の標準形状には、I 形、V 形、X 形、レ形などの種類があります(図2)。
V 形開先は、最も一般的な開先です。図3 に、V 形開先部の各部名称を示します。
3. 溶接継手の強度計算
4. 強度計算の事例
全9回で下記の内容を解説しています。