前回は、排水処理プロセスの選び方を説明しました。今回は、11通りの物理的、化学的処理法について解説します。
第6回「汚水処理技術の種類」を解説していきます。
第6回もくじ
1. 機械的スクリーニング
スクリーニングとは、処理施設の導入部における、金網などによる、すくい取り操作のことです。数ミリ以上の大きなごみや木材片、プラごみ、食料品の端材などを後段の工程に流さないようにするために用いられます。
2. 沈降分離
沈降分離とは、重力を利用して、水中の水より大きい比重の懸濁物質を分離する方法です。対象粒子は1μmより大きい粒子が目途です。
沈降分離の原理
懸濁固体粒子物質の沈降速度は、粒子の密度や水の密度、粒子の直径、水の粘度などを用いるストークスの式で求めることができます。沈殿池の分離効率は、水面積負荷(表面積負荷)で決まります。流入水量が一定ならば、沈降粒子を受け取る表面積(垂直投影面積)を増やし、粒子の沈降距離を短くすることで分離効率が大きくなります。つまり、沈降槽内に多数の傾斜板を挿入することによって、有効分離面積を増やすことができます。以上より、沈降槽の大きさ(幅、長さ、深さ、傾斜板枚数など)を設計できます。
操作法による分類
普通沈殿(自然沈殿)、凝集沈殿(後述)などに分類されます。
沈降分離装置
実績ある装置は、円形沈殿池、円形クラリファイヤー、長方形沈殿池、タテ型上昇流式沈降池などです。特に汚泥の濃縮だけを目的とした沈降装置には、汚泥濃縮槽(シックナー)などがあります。
沈殿池の運転管理の重要事項
・汚泥の分離:沈殿池で底や傾斜版に沈降した汚泥は、できるだけ高濃度で、かつ過度の堆積がないように引き抜いて分離します。分離した汚泥は脱水、乾燥して焼却または埋め立て処分されます。
・重要な運転管理として、傾斜板を適宜洗浄や汚泥の堆積による閉そくなどの防止、偏流が起こらないように蓄積したスカム(水表面にできるスポンジ質の厚い膜状の浮きかす)や藻類などの除去があります。
3. 浮上分離、加圧浮上分離
4. 凝集沈殿分離
5. 清澄ろ過
6. 中和、pH調節操作
7. 酸化と還元法
8. 塩素による酸化(塩素酸化処理法)
9. 吸着法
10. イオン交換法
11. 膜分離法(膜処理法、膜ろ過法)
全9回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 水質汚濁物質の発生源と排水ルート
- 第2回 水質汚濁指標と汚濁メカニズム
- 第3回 有害物質の種類と健康への影響
- 第4回 水質汚濁防止法とは?
- 第5回 排水処理プロセスの選び方
- 第6回 汚水処理技術の種類
- 第7回 生物処理法の種類
- 第8回 有害物質の処理技術
- 第9回 工場の排水処理の事例