前回は、有害物質の種類と健康への影響について、解説しました。今回は、水質法令と公共用水域の水質の現状を説明します。
第4回「水質汚濁防止法とは?」を解説していきます。
1. はじめに
今回は水質に関わる法令と、基準の決め方を解説します。基準値は、しばしば混同されるので、まず確認しておきましょう。水質基準には、環境基準、公共用水域への排出基準、下水道への排除基準と水道水の水質基準があります。基準項目は共通するものがかなりありますが、基準値の数字はそれぞれで異なります。環境基準は、広い範囲の水域環境にとって、維持することが望ましい基準です。公共用水域への排出基準は、工場や排水処理場の排水出口(局所)の基準です。水道水の水質基準は、毎日飲む水道水の水質基準です。大きく分けると、水道水の水質基準が一番厳しく、環境基準、排出基準、排除基準の順に緩くなります。他方で、違反時の罰則があるのは、排出基準と排除基準だけです。大気や水質の環境基準を満たしていない地域は、改善努力はされているものの、日本中に少なからず存在しています。
2. 水環境の法令体系
今までの連載で、水質汚濁物質、有害な化学物質、さらにその健康影響について見てきました。今回は、これらをカバーする法令体系を見ていきます。図1には、関連する法律と付随する環境基準、排出基準の有無を書いています。今回は、環境基準と水質汚濁防止法および下水道法について解説します。土壌汚染対策法とダイオキシン類に関わる法令については、触れません。
3. 水質の環境基準
4. 水質汚濁防止法
5. 下水道法
6. 公共用水域の水質の現状
全9回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 水質汚濁物質の発生源と排水ルート
- 第2回 水質汚濁指標と汚濁メカニズム
- 第3回 有害物質の種類と健康への影響
- 第4回 水質汚濁防止法とは?
- 第5回 排水処理プロセスの選び方
- 第6回 汚水処理技術の種類
- 第7回 生物処理法の種類
- 第8回 有害物質の処理技術
- 第9回 工場の排水処理の事例