廃棄物処理法とは?|廃棄物リサイクルの基礎知識2

廃棄物リサイクルの基礎知識
著者:中安総合研究所 兼 化学工学会SCE・Net 中安 一雄

前回は、廃棄物の発生とリサイクルの現状を解説しました。資源の有効利用に関しては各種のリサイクル法が制定され、また、廃棄物の処理に関しては廃棄物処理法が定められています。そして廃棄物は、法の規定に従って処理しなければなりません。今回は、廃棄物処理法(正式名称「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」)で、どのように廃棄物を処理するよう決められているかを解説します。

第2回「廃棄物処理法とは?」を解説していきます。

基礎知識DL

1. 廃棄物の処理と法律

廃棄物処理法は、1970 年に制定されました。正式名称は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律といいます。この法律は、まちのごみ処理と清潔や衛生を念頭に作られています。その後、環境保全や不法投棄の問題がクローズアップされ、不法投棄防止のために産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度が導入され、今の法律の骨格となっています。平成に入り、資源環境問題が注目を集めたため、環境基本法が制定され、廃棄物処理法も環境対策の体系の中に位置づけられました。そして、各種のリサイクル法が制定されて今日に至っています。図 1 に現在の法体系を示します。

循環型社会を形成するための法体系
図1:循環型社会を形成するための法体系(引用:環境庁、循環型社会への新たな挑戦、2008年、P.2)

廃棄物を扱うための法律

全ての廃棄物は、廃棄物処理法に従って処理しなければなりません。法律を知らないということは、言い訳にはならず、違反すると処罰されることがあります。したがって、大切なことは、法が規定している廃棄物とはどのようなものか、また、その廃棄物をどのように処理すべきかを知ることです。

廃棄物処理法では、廃棄物を「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物または不要物であって、固形状または液状のもの」と定義しています。簡単にいうと廃棄物は、いらないものです。しかし、いらないものとは何かが、難しい問題です。例を 2 つ挙げます。1 つ目は、壊れた機械です。所有者から見れば使えないため、不要物になります。しかし、原材料を扱っている人が見れば、不要物ではなく、鉄資源となります。2 つ目は、飲み終わった空きペットボトルです。不要物なのでごみとして出しますが、集める市町村の方は資源ごみ、つまり資源と見ています。これらは法律では廃棄物なのでしょうか。

法律の解釈は、買ってもらえないものを廃棄物とすることが一般的です。買ってもらえるものは、廃棄物ではなく資源です。厳密にはその取り扱い状態などを考慮し、総合的に判断します。不要であっても売却でき、資源としての価値を認められるものは、廃棄物ではなく有価物に区分されます。前記の例で、壊れた機械が買い取ってもらえるならそれは有価物、ペットボトルは買い取ってもらえないので廃棄物です。つまり、不要物を渡してお金を受け取れない時に、廃棄物として法が適用されます。

廃棄物の処理に関する責務

法では、国民や事業者などの責務として、以下を定めています。

・国民などの責務(法第 2 条の 4、第 5 条)
1.廃棄物の排出を抑制する
2.廃棄物の再生利用を図る
3.廃棄物を分別して排出する
4.廃棄物の減量など、廃物の適正処理に関して国と自治体の施策に協力する
5.土地や建物を清潔に保つ
6.不適切な廃棄物を見つけたら、自治体に通報する
7.大掃除を実施する
8.公共の場所を汚さない


・事業者の責任(法第 3 条、第 6 条の 2、第 11 条、第 12 条)
1.廃棄物を自らの責任で適正に処理する
2.再利用等により減量に努める
3.製品のライフサイクルを考えて、リサイクル・適正処理をしやすくする
4.処理委託するときは、法に従い委託する
5.処理するときは、基準に従う(基準には保管基準、運搬基準、処分基準、委託基準があります)
6.産業廃棄物の発生から最終処分まで、適正に処理されるように努める

次に禁止事項を見ていきます。

・廃棄物についての禁止事項(法第 16 条、第 16 条の 2、第 17 条)
1.投棄禁止(埋め立ては、地中への投棄とされて禁止)
2.焼却禁止(除外例:法の基準に従う焼却、法による処分で行う焼却、社会慣習などで行わざるを得ない小規模の焼却)
3.ふん尿の肥料としての使用禁止(除外例:省令に適合する方法による使用)

ポイ捨てや埋め立て、たき火は禁止です。ただし、どんど焼きなど社会習慣や行事などの場合は、特例として許可されています。ごみや不良品などを工場内のドラム缶で燃やすと、焼却禁止違反となります。また、許可を受けずに事業場で発生した廃棄物を自社の敷地だからといって工場内に埋めたり、地盤材や路盤材として使うと不法投棄となります。

2. 家庭から出る廃棄物の処理方法

廃棄物の処理方法は、廃棄物の種類で決められています。家庭から出る廃棄物は、法では一般廃棄物に区分されています。一般廃棄物は、市町村が責任をもって処理します。市町村は、一般廃棄物をどのように分別し、どのように集め、どのように処分するかを定めた計画を作ります。各家庭は市町村が作った計画に従い、ごみを燃えるごみ、燃せないごみ、ビン、缶、粗大ごみなどに分別し、決められた場所へ、決められた時間に、決められた方法で出し、市町村の委託を受けた事業者がそれを収集して処分します。ごみを出すまでは家庭の責任、出されたごみを処理することは市町村の責任となっています。各家庭の責務は、市町村の決めたルールを守ることです。

家庭から出る廃棄物の分別例
図2:家庭から出る廃棄物の分別例
家庭から出る廃棄物の処理
図3:家庭から出る廃棄物の処理

3. 事業から出る廃棄物の処理方法

続きは資料をダウンロードしてご覧ください!

全6回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 廃棄物の発生とリサイクルの現状
  • 第2回 廃棄物処理法とは?
  • 第3回 廃棄物処理の注意点
  • 第4回 循環型社会形成のための市民・企業・行政の取り組み
  • 第5回 プラスチックのリサイクル
  • 第6回 EUの廃棄物処理とリサイクルの取り組み

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