前回は、文章のトーンを決める主語の選び方と、動詞の能動態・受動態のニュアンス、そして自動詞・他動詞の決め方を説明しました。今回は、冠詞について解説します。英語を書き慣れた人でも、冠詞に悩まされるという話をよく聞きます。冠詞を名詞との関係で捉え、自信を持って選ぶポイントを説明します。まずは、名詞の種類から見ていきましょう。
第3回「冠詞の攻略」を解説していきます。
第3回もくじ
1. 名詞の種類
名詞は、可算名詞と不可算名詞に分けられます。英語は、物や事象を境界のあるものと境界のない連続的なもののいずれかに、無意識的に分類する言語と考えると、この違いを身近に感じることができます。多くの英語の辞書には、名詞の横にCまたはUの記号が付いています。CはCountable(可算)、UはUncountable(不可算)の頭文字です。目を閉じてもそのままの形や輪郭が思い浮かぶものはC、浮かばないものはUと考えるとよいです。
例えば、形があるbook(本)は可算名詞C、形のないinformation(情報)は不可算名詞Uであると、誰もが納得できるでしょう。また、ironのように、連続体である物質としての鉄はU、電化製品のアイロンやゴルフのアイアンなどの個体物はCと、同じ単語でUとCを持つ名詞も多くあります。
もう少し抽象化した名詞を見てみましょう。temperatureは、具体的な温度を表す場合はC、抽象的に温度を示す場合はUです。
この物質は、400℃までの高温で使用することができる。
This material can be used at high
temperatures
up to 400℃.
この物質は高温で溶ける。
This material melts at high
temperature
.
抽象名詞であるopinionは、public opinion(世論)や、difference of opinion(見解の相違)のように、漠然とした使い方の場合はUです。しかし、a second opinion(セカンド・オピニオン)、We have different opinions.(意見の相違がある。)など、意見の内容を具体的な形として捉える場合は、Cです。
このように考えていくと、1つの名詞が可算と不可算に分かれているのではなく、捉え方の違いや意味の違いによってどちらにでもなるといえます。名詞がCかUかで迷ったら、まずは具体的(Cの可能性が大きい)か、抽象的(Uの可能性が大きい)かで、当たりを付けた後、ぜひ辞書で確認してください。CとUをしっかり捉えることが、冠詞を正確に選び取る第一歩です。
2. a/anが意味すること
不定冠詞a/anは、初めて話題に出る場合と特定のものを指していない場合に使います。可算名詞Cは、単数で捉えるときはa(母音の発音で始まるときはan)を名詞の前に付け、複数の場合は複数形にします。
・初めて話題に出てきた場合
I bought a new hybrid car.(新しいハイブリッド車を買った。)
・特定のものを描いてない場合
An inverter is a circuit that controls current.(インバータは、電流を制御する回路です。)
不可算名詞Uにa/anを付けたり、可算名詞Cの単数形に冠詞を付けなかったりするのは、文法的な誤りなので注意しましょう。
例外として、道具や手段(I came here by car.)、役職(He is manager of IPROS Company.)など、可算名詞の意味が抽象化されている場合は、冠詞を付けません。ただし、部署の唯一のmanagerである場合はthe manager、複数いる中の一人のときはa managerにすることも可能です。
3. theで相手とコミュニケーションする
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 技術英語・工業英語の3つのCとは
- 第2回 主語と動詞は文の要
- 第3回 冠詞の攻略
- 第4回 情報は名詞で伝える
- 第5回 微妙なニュアンスを伝える表現
- 第6回 ロジカルに伝える