粉じん爆発対策|静電気対策の基礎知識6

静電気対策の基礎知識
著者:工学院大学 工学部 電気システム工学科 准教授 市川 紀充

前回は、粉じん爆発を説明しました。今回は、いよいよ最終回、粉じん爆発対策です。被害が非常に大きい粉じん爆発を防止するには、どのような対策を打てばよいのでしょうか?まずは粉じんの燃焼範囲と最小着火エネルギーから見ていきます。

第6回「粉じん爆発対策」を解説していきます。

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1. 燃焼範囲と最小着火エネルギー

粉じん爆発とは、ある一定の濃度の可燃性の粉じんが大気などの気体中に浮遊した状態で、火花などにより引火して爆発を起こす現象です。第5 回でも解説した通り、粉じん爆発は、粉じんの雲、着火源、酸素の3つがそろうと発生します(図1)。

粉じん爆発の3要因
図1:粉じん爆発の3要因

粉じん爆発のリスクを考える上で重要なのが、粉じんの爆発のしやすさを左右する燃焼範囲と、粉じんの着火に必要となる最小の静電エネルギー(最小着火エネルギー)です。これらの考え方を理解した上で、粉じん爆発の対策を打つ必要があります。

・燃焼範囲
粉じん雲の着火・燃焼は、粉じんの濃度が低すぎても、高すぎても発生しません。粉じん雲が着火する最小の粉じん濃度を爆発下限界、粉じん雲が着火する最大の粉じん濃度を爆発上限界といいます。爆発下限界と爆発上限界の間を燃焼範囲(図2)といい、燃焼範囲が広いほど着火性は高くなります。一般に、粉じんの濃度が濃くなり爆発に至ることが多いので、特に注意するのは爆発下限界です。

粉じんの燃焼範囲
図2:粉じんの燃焼範囲

・最小着火エネルギー
最小着火エネルギーとは、最も着火しやすい濃度の可燃性粉じん・空気混合気を着火させる最小の火花放電エネルギーです。図3に、粉じん濃度と放電エネルギーの測定結果の例を示します。E1は、着火しない最大の火花エネルギー、E2は着火する最小の火花エネルギーで、計算により統計的最小着火エネルギーを求めることができます。粉じんの最小着火エネルギーを上回らないようにすることが重要です。

粉じん濃度と放電エネルギーの関係
図3:粉じん濃度と放電エネルギーの関係(引用:日本粉体工業技術協会規格、SAP12-10-2010 可燃性粉じん・空気混合気の最小着火エネルギー測定方法、2010年、P.7)

2. 粉じん爆発の具体的な対策

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全6回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 静電気とは
  • 第2回 静電気事故の原因
  • 第3回 静電気対策の種類
  • 第4回 電気・電子機器の誤動作や故障
  • 第5回 粉じん爆発とは
  • 第6回 粉じん爆発対策

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