板ばねの種類と加工方法|ばねの基礎知識2

ばねの基礎知識

著者:國井技術士設計事務所 所長 國井 良昌

前回は、ばねの中で最も使用頻度の高いコイルばねについて、解説しました。今回は、コイルばねの次に使われる板ばねの種類や用途、加工法などの実務知識を学びましょう。

第2回「板ばねの種類と加工方法」を解説していきます。

基礎知識DL

1. 板ばねの種類と用途

ばねの専門書の記載は、コイルばねに関する技術情報がほとんどで、板ばねの記述は少ないのが実情です。機械や重工業ではコイルばねの使用が多いのですが、当事務所のクライアント企業のような電気・電子産業では、コイルばねと板ばねの使用頻度は同等か、板ばねの方が多い企業もあります。その要因は、接地用板ばねの需要が急速に増加したためです。ばね一つにしても、時代の変化を捉えなくてはなりません。

板ばねは、一般的な板金部品であり、さまざまな形状のものがあります。板ばねは、重ね板ばね、薄板ばね、皿ばね、渦巻きばねに分類できます。皿ばねと渦巻きばねを、板ばねに含めない場合もあります。本稿では、材料が全て板材(板金)であることから、板ばねに分類しました。

1:重ね板ばね
重ね板ばねは、長さの異なる複数枚の板状ばねを重ね合わせた、板ばねです(図1)。複数枚重ねることで、使用時の応力が分散し、耐久力を高めることができます。用途は、主にトラックのサスペンション、貨車のサスペンションなどです。現場では、リーフばね、リーフスプリングとも呼ばれます。

重ね板ばね
図1:重ね板ばね

2:薄板ばね
薄板ばねは、板形状をしたばねのことです。最も一般的で、板ばねといった場合、基本的にはこの薄板ばねを指します。文具、VTR テーブのガタ防止、ばね座金、電池ケースの電極、AC100V スイッチ部品など、多目的に用いられ、形状もさまざまです(図2)。

薄板ばね
図2:薄板ばね

3:皿ばね
皿ばねとは、円すい状の板ばねの中心をくり抜いた形状をしています(図3)。コイルばねが入らないような狭い場所にも使え、大きな荷重を受けられます。ねじの緩み止めの座金、小型モータの軸受予圧用、ワッシャ、軸受回りのガタ防止などに用いられます。

皿ばね
図3:皿ばね

4:渦巻きばね
渦巻きばねは、板・帯状の素材を渦巻き状に巻いたばねのことです。ばねの端を引っ張ると、元の渦巻き状に戻ろうとする力が発生します。英語ではスパイラルスプリング(Spiral Spring)といい、日本の開発現場では、ぜんまいばねと呼ばれることが多いです。主な用途は、ぜんまい式のおもちゃ(図4)、機械式時計のぜんまいなどです。

渦巻きばね
図4:渦巻きばね

2. 板ばねの加工方法

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全6回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 ばねの種類と特徴
  • 第2回 板ばねの種類と加工方法
  • 第3回 ばねトラブルのランキング
  • 第4回 ばねの材料と特性
  • 第5回 ばねの導通不良と対策
  • 第6回 板ばねを用いた低コストな固定テクニック

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