遮音の仕組みと遮音材料|防音の基礎知識3

防音の基礎知識
著者:日本板硝子環境アメニティ株式会社 開発技術部課長(一般社団法人日本音響材料協会 音響基礎講習会 第1講 講師) 岡本 健久

一般的な防音対策には、吸音、遮音、防振の3 つがあります。前回は、その中から吸音を解説しました。今回は、遮音の仕組みと遮音材料について掘り下げます。

第3回「遮音の仕組みと遮音材料」を解説していきます。

基礎知識DL

1. 遮音の仕組み

遮音とは、遮音材料で音を遮ることです(図1)。ある材料に音が入射した時(Ei)に、その音のエネルギーは反射したり(Er)、材料内において熱エネルギー(摩擦熱)となって吸収され(Ea)、元のエネルギーよりも小さくなって背面に抜けます(Et)。

遮音の仕組み
図1:遮音の仕組み

透過率τとは、入射する音のエネルギーEi に対し、背面に透過するエネルギーEt の比です。つまり透過率τは、Et/Ei で表されます。透過損失TL とは、透過率τの逆数をdB 表示したもので、TL=10×log 10 (1/τ)の式で表します。この透過損失は、遮音の程度を表したもので、数値が大きいほど遮音性能は高くなります。

遮音を考える上で最も大切な法則に、質量則があります。質量則とは、ガラスやコンクリートのような単一の材料で構成された材料は、基本的には単位面積当たりの質量(面密度)が大きいほど、また同じ面密度(厚さ)であれば周波数が高いほど、透過損失(遮音性能)が大きくなるという法則です。透過損失をTL 0 dB、周波数をfHz、面密度をmkg/m2で示すと、透過損失は、TL 0 =20×log 10 (f・m)-42.5(dB) の式で求めることができます。この質量則からは、面密度(厚さ)を倍にしても、遮音性能は約5 ~ 6dB 程度しか増えないことも分かります。

そしてもう一つ、均質単板の透過損失を左右する、コインシデンス効果という現象も重要です。これは透過損失(遮音性能)が特定の周波数において、質量則で算出される値に比べて著しく低下する現象のことです(図2)。材料が硬いほど、同一の材料では厚みが厚いほど、低い周波数で効果が生じます。

質量則とコインシデンス効果
図2:質量則とコインシデンス効果(引用:公益社団法人日本騒音制御工学会、特集:建築音響の基礎知識、騒音制御Vol.32、No.5、2008年、P.331)

2. 遮音材料の種類と特徴

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全7回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 音とは?防音とは?
  • 第2回 吸音の仕組みと吸音材料
  • 第3回 遮音の仕組みと遮音材料
  • 第4回 防振の仕組みと防振材料
  • 第5回 騒音・振動の防止設計
  • 第6回 室内音場とは
  • 第7回 音響測定の方法

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