焼結のメカニズム|焼結の基礎知識4

焼結の基礎知識
著者:長岡技術科学大学 大学院 機械創造工学専攻 教授 南口 誠

前回は、成形工程を説明しました。今回は、焼結のメカニズムについて解説します。焼結では、粉末粒子同士がくっついて物質移動が起き、表面積が減少します。また、焼結は初期、中期、終期と3つの段階を経て進行していきます。焼結のメカニズムをしっかり理解しましょう。

第4回「焼結のメカニズム」を解説していきます。

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1. 焼結のメカニズム

焼結は、粉末成形体を加熱することで焼き固める現象です。粉末に限らず、固体や液体の表面は、それらの内部とは異なり、原子やイオン、分子はお互いに結合している相手がいない状態です。そのような状態は物質にとって非常に不安定で、物質の表面積を減らす方向に物質移動が起きます。固体である金属やセラミックスでは、拡散という現象によって物質が移動します。固体の中の拡散は、主として、原子やイオンがない穴(空孔)が移動することによって起こります。拡散に関する詳細は、次回に説明します。

2. 焼結の進み方

焼結の進行は、初期、中期、終期の3つの段階に分けることができます(図1)。

焼結の進行
図1:焼結の進行

製品になる粉末成形体が高温にさらされると、粉末粒子同士が接合され、ネックが形成されます。粉末粒子の表面、あるいは接合部から物質が移動してネック表面に原子やイオン、分子が拡散し、ネックを大きくします。この現象により、焼結体全体の表面積が減少します。

初期段階では、ネックの大きさは小さく、粒子表面の形状が残った内部構造をしています。ネックの直径は粒径のおおよそ30%といわれています。また、粉末成形体の密度が50%程度であれば、焼結の初期段階ではせいぜい60%程度です。焼結の進行に伴い相対密度が上昇する現象を、緻密化といいます。

中期段階では、焼結体の内部構造は、粉末成形体の状態からかけ離れたものになり、気孔の形状はチューブ状になっていきます。これらの気孔は互いにつながり、焼結体は通気性を有している状態です。このような気孔のことを開気孔と呼びます。この段階では、焼結体の相対密度は70~90%です。

終期段階では、焼結体の緻密化が進行し、相対密度が95%を超えたところで気孔が閉じ、焼結体内に孤立した気孔が分散した状態になります。この気孔は、閉気孔と呼ばれます。製品を構成する物質によって、閉気孔は結晶粒界や三重点に形成されます。気孔の量自体が少なくなっていくので、結晶粒界がある程度自由に動くようになり、粒成長も顕著になります。そのため、気孔が粒内に取り込まれて、気孔が合体し成長します。図2は、焼結体の相対密度と気孔率の関係です。相対密度と開気孔率、閉気孔率の総和は1(100%)になります。

相対密度と気孔率の関係
図2:相対密度と気孔率の関係

3. 焼結中の物質移動

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全7回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 焼結とは
  • 第2回 焼結に用いる粉末
  • 第3回 成形工程
  • 第4回 焼結のメカニズム
  • 第5回 拡散のメカニズム
  • 第6回 焼結方法の分類
  • 第7回 焼結体の評価

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