成形工程|焼結の基礎知識3

焼結の基礎知識
著者:長岡技術科学大学 大学院 機械創造工学専攻 教授 南口 誠

前回は、焼結用の粉体や、混合・粉砕の工程を解説しました。今回は、次の焼結の工程である成形を取り上げます。一般的には、金型を使って押し固める金型成形が使われています。まずは、成形の工程が、どのように分類できるかから見ていきましょう。

第3回「成形工程」を解説していきます。

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1. 成形工程の種類

粉末を所望の形状に固める工程を成形といいます。図1に、成形工程の種類にまとめました。金型などを使って押し固める加圧成形(プレス成形)が最も一般的な方法です。また、技術的な分類のほかに、成形品の完成度による分類もあります。ニアネットシェイプ成形は、複雑な形状の完成品をほぼその形状に成形して機械加工を極力少なくする方法で、ネットシェイプ成形は、完成品を成形する方法です。

焼結における主な成形工程の種類
図1:焼結における主な成形工程の種類

2. 金型成形

金型を用いて加圧成形する方法は、金型成形と呼ばれています。焼結においては、最も一般的な方法です。粉末の金型成形の工程は、粉末充填、加圧、成形体取り出しの3工程に大きく分けられます(図2)。

粉末の金型成形の流れ
図2:粉末の金型成形の流れ

加圧の工程で高い圧力を加えると、粉末成形体の密度が上昇して強度も上がります。一般的には100MPa程度の圧力を加えれば、十分な成形体密度が得られます。一般的な焼結用粉末であれば、成形体密度は50~60%です。金属の場合は、粉末粒子に圧力が加わると塑性変形するので、さらに高い密度を得ることができます。

粉末成形体の強度を上げるために、バインダーと呼ばれる添加物を粉末に混ぜることがあります。具体的には、ポリビニールアルコール(PVA、ポバールとも呼ばれています)やポリビニールブチラール(PVB)などの有機物です。造粒粉末には、このバインダーが既に含まれています。また、金型と粉末粒子、粉末粒子同士の摩擦を軽減するために、潤滑剤を入れることもあります。潤滑剤は、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛などが利用されます。潤滑剤やバインダーが混合された造粒粉末を、金型に入れて成形します。

粉末充填の工程では、粉末が均質に敷き詰められていないと、成形体に密度むらが起きます。図3は、筆者の研究室で利用している実験試料成形用金型の写真です。粉末が接触する箇所は、セラミックス粉末との摩擦によって摩耗するので、超硬合金が用いられています。工業製品の場合は複雑な形状も多いため、金型の寸法や形状をどう設計するかは、重要なノウハウです。形状によっては、複数の細かい金型を組み合わせて、多段プレス成形にすることもあります。

粉末成形用金型
図3:粉末成形用金型

また、ゴムや軟質プラスチックで型を作り、液体や気体の媒体に、静水圧を掛けて成形する方法も使われています。この方法は、ラバープレス法や、静水圧を加えるので冷間静水圧プレス(CIP:Cold IsostaticPressing)成形と呼ばれます。ラバープレス法は、ニアネットシェイプ成形が可能であり、100MPa以上の静水圧を加えるので、比較的均質で高密度な成形体を作ることができます。

3. その他の成形方法

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全7回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 焼結とは
  • 第2回 焼結に用いる粉末
  • 第3回 成形工程
  • 第4回 焼結のメカニズム
  • 第5回 拡散のメカニズム
  • 第6回 焼結方法の分類
  • 第7回 焼結体の評価

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