板金材料の特性|板金加工の基礎知識2

板金加工の基礎知識

著者:塑性加工教育訓練研究所 小渡 邦昭

板金によく使われる材料は、鋼材やアルミ、ステンレスです。最近では、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)をはじめとする多様な材料が利用され始めています。さまざまな材料を適切に板金加工するには、板金材料の特性について学んでおくことが必要です。今回は、板金材料の特性を測定する試験方法と、重要な3つの特性を解説します。

第2回「板金材料の特性」を解説していきます。

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1. 板金加工でよくある課題

材料の特性を知ることで、板金加工によって生じる課題へ適切に対応できるようになります。例えば、ある板金加工工場では、図1のように金属を押し上げて、部品を生産しています。コスト削減により、材料Aを材料Bに変更することになりました。設計基準に変更はありません。材料Bを用いて、従来の設計基準通りに試作したところ、部材の一部だけが細くなってしまいました。なぜ、このようなことが起きたのでしょうか? このような問題の解決に、3つの材料特性(弾性と塑性、加工硬化、体積一定の原則と異方性)の理解が不可欠です。

板金加工でよくある問題
図1:板金加工でよくある問題

2. 材料特性を測定する引張試験

金属材料の強度を評価する最も基本的な試験方法は、引張試験です。単純な動作にもかかわらず、多くの情報を得ることができます。引張試験では、試験機に取り付けられた材料(試験片)を引っ張り続け、試験片の伸びと荷重を測定します(図2)。このとき、伸びをX軸、荷重をY軸としてグラフ化すると、以下のような傾向が分かります。

・X軸の変化量が大きい場合は、変形する量が大きい
・Y軸の変化量が大きい場合は、変形に大きな力を必要とする
・グラフの勾配が大きい場合は、同じ変形量(伸び)であっても大きな力を必要とする

引張試験と、荷重-伸び曲線
図2:引張試験と、荷重-伸び曲線

引張試験では伸びと荷重の関係が得られます。しかし、伸び量は材料の大きさによって異なるため、大きさが違う部品では比較が困難です。そのため、一般的には応力(単位面積当たりの荷重)と、ひずみ(単位長さ当たりの伸び)を用いて比較します。応力とひずみは下記の式で計算できます。

・応力=荷重/ 引張試験片の断面積
・ひずみ=基準になる距離からの伸び量/ 基準になる距離

3. 重要な3つの材料特性

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全7回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 板金加工とは
  • 第2回 板金材料の特性
  • 第3回 板金加工のメリット・デメリット
  • 第4回 板金加工の読図・展開とは
  • 第5回 板金加工とプレス加工の共通点・相違点
  • 第6回 板金加工の品質維持
  • 第7回 板金加工の安全対策

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