前回は、ねじの種類と素材について学びました。第4 回では、ねじのトラブルの中でも頻度の高いねじ山のつぶれに焦点を当て、その原因と対策を解説します。
第4回「ねじトラブルの原因と対策」を解説していきます。
1. ねじトラブルのランキング
完成品に発熱、発火、動作不良などのトラブルが起きた場合、どの企業も真剣に、原因解明や根本的な再発防止に取り組むはずです。しかし、ねじの緩みや破断の場合、品質不良は軽視され、本格的な原因究明や対策が取られることは少ないのではないでしょうか。ねじは、ほとんどの機械や製品に何本も使用されていることを忘れてはいけません。このねじのトラブルを解消することは、製品に関する多くのトラブルの防止につながるのです。真剣に取り組むべき問題だと認識しましょう。
図1 に、当事務所のクライアント企業の協力を得て、ねじのトラブル件数ランキングをまとめました。
ランキングには、ねじ山のつぶれ、ねじ軸の破断、さび、斜め締付、着座不良・緩み、頭部溝のつぶれ、導通不良、切粉の発生、外れないという9 種のトラブルが挙がっています。これらは、企業規模や業種に関わらず、多くの製造業で共通の技術課題です。ランキング1 位のねじ山のつぶれは、おねじ・めねじのどちらか、もしくは両方のねじ山が破損して固定できなくなった状態のことです。ねじばかとも呼ばれます。
2. ねじトラブルの原因
ねじトラブルの原因を分析し、表1 にまとめました。注目すべきは、1つのトラブルに複数の原因があることです。複数の原因を正確に把握し、正しい解決策を導くことが技術者の役割です。
3. ねじの種別選択ミスと下穴設計ミス
4. ねじトラブルの対策
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 機械要素の学び方
- 第2回 ねじの種類と素材
- 第3回 ねじの加工方法
- 第4回 ねじトラブルの原因と対策
- 第5回 ねじ材料の選択と評価
- 第6回 ねじの接地対策と締付トルク・軸力