ゴム材料・ゴム製品の製造工程|ゴムの基礎知識4

ゴムの基礎知識

著者:東京理科大学 名誉教授 伊藤 眞義

前回は、原料ゴムに求められる特性、原料ゴムの種類、特殊な原料ゴムについて解説しました。今回は、原料ゴムからゴム材料・ゴム製品がどのように作られるのか、その製造工程を見ていきましょう。

第4回「ゴム材料・ゴム製品の製造工程」を解説していきます。

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1. ゴム材料・ゴム製品の3 つの製造工程

ゴム材料・ゴム製品には、3つの製造工程があります(図1)。それは配合表の作成、混合(配合)、加硫・成型です。

ゴム材料・ゴム製品作りの3工程
図1:ゴム材料・ゴム製品作りの3工程

ゴム材料は、原料ゴム中に架橋構造を形成させたものです。従って、架橋構造を形成させるための薬品、また強度や各種耐性など、出来上がりのゴム材料・ゴム製品に求められる性能を実現させる薬品・物質を、原料ゴムに混合する必要があります。ゴム材料・ゴム製品作りの第1段階は、これら原料ゴムに混合する薬品・物質を選定し、それぞれの使用量を決定すること。つまり、配合表(レシピ)の作成です。

配合表が決定したら、原料ゴムに薬品・物質を添加し、配合(混合)します。こうして出来上がった混合物(コンパウンド)を、金型に入れて加熱します。この時、架橋構造形成のための化学反応(加硫工程)と同時に、加圧による成形が行われます。終了後、成型物を金型から取り出し、必要に応じてバリ取り・検査を経て、ゴム材料・ゴム製品の完成となります。

2. 配合表の作成

ゴム材料・ゴム製品製造の第1段階は、原料ゴムに混合する物質の選定と、それらの使用量を決定し、配合表を作成することです。この工程で最も重要なことは、使用する配合剤の選択です。全てのゴム材料・ゴム製品に欠かせないものは、原料ゴムに架橋構造を形成させる硫黄などの薬品です。その他に各種充填剤、老化防止剤、良好な作業性を得るための加工助剤、場合によっては着色剤などが混合されます。

配合表は原料ゴム100グラムに対して、混合する物質のグラム数を示す単位phr(parts per hundred rubber)で表します。この単位は、現場での作業性を考慮したゴム業界特有の単位です。配合表の一例を、表1に示します。

配合表の例
表1:配合表の例

各薬品の選定について、見ていきましょう。架橋構造を形成させるための薬品選定は、次項で説明します。

老化防止剤は、ゴム材料の寿命を支配する重要な薬品です。この薬品を選択するポイントは、3点あります。第1に、ゴム材料を使用している期間中に、材料から抜け出すことなく、長期にわたって効用を発揮できるか否かです。第2は、劣化の原因、例えば酸化劣化とオゾン劣化を区別し、ゴム材料・ゴム製品の用途や使用環境に応じ、効果的に効用が発揮できるものを選ぶことです。第3は、加硫工程での加熱時に、金型にダメージを与えないことです。アミン系老化防止剤は、酸化劣化に対して高い効果を示すものの、金型の汚染度が高いという欠点があります。フェノール系防止剤は、老化防止効果はアミン系ほど良好ではないものの、金型汚染度は比較的低い特徴を持っています。また、防止剤の大気中への蒸散や、水への溶解度を低減した老化防止剤も市販されています。

自動車用タイヤなど、力学的特性に優れた材料を得るためには、原料ゴムにカーボンブラックなどの補強性充填剤を混合する必要があります。カーボンブラックは、形状、粒径、比表面積などに依存した種類が多くあり、この選択が材料の特性を支配するので、とても重要です。最近、低燃費性能を向上させた省エネルギータイヤ用の補強性充填剤として、種々のシリカ(ケイ素系無機物質)が使用されています。しかしシリカ粒子表面の化学構造は、カーボンブラックとは全く異なり、原料ゴム中への均一分散はカーボンブラックより困難です。シリカ配合に適した混錬条件の設定や、分散改良剤の使用が必要となります。

3. 混合(配合)

4. 加硫および成形

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全7回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 ゴムとは
  • 第2回 ゴム材料のメリットとデメリット
  • 第3回 原料ゴムの特性と種類
  • 第4回 ゴム材料・ゴム製品の製造工程
  • 第5回 ゴム材料の物性
  • 第6回 ニーズに合わせたゴム材料の作り方
  • 第7回 ゴム材料が抱えている課題

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