前回は、実際にRPAを導入するまでのプロセスを、筆者の会社での事例を取り上げて解説しました。今回は、付き合いの多い製造業におけるRPA活用例を紹介します。活用の範囲は限定的であっても、今後多くの場面に応用できる可能性を秘めたツールであると感じています。また、必要な知識やRPAの導入効果について、具体例を用いて説明します。
第4回「製造業におけるRPA導入」を解説していきます。
第4回もくじ
1. 製造業における活用例
弊社の業務は、中小企業の相談を受け改善方法を提案することが中心であり、顧客の多くは製造業です。
製造業における日々の業務には
・顧客管理
・取引先から毎月送られてくる請求書の入力
・在庫管理状況の報告・収集・集計
・生産管理システムへの毎日の入力
などがあります。
こうした業務の処理は社員のマンパワーに頼っているため、業務負担のしわ寄せが担当者に偏ってしまう状態が非常に多く見受けられます。営業や製造ライン(直接部門)には多くの人的リソースが投入されていても、バックオフィス部門では人的手当てが後回しにされ、人手不足のしわ寄せが顕著になっているケースが多いといえます。
もし、顧客管理システムとRPAを連動させたり、請求書の発行をRPA に担当させたりすることで業務の自動化が可能になれば、RPA導入は、製造業をはじめとした中小企業にとって大きなメリットになります(図1)。
2. RPA に必要な知識
RPAはパソコンで動くプログラムの一種です。しかし、その操作に専門的な知識はほとんど必要ありません。その理由は、人間がパソコンを操作するときに行う「クリック」や「コピー&ペースト」などを記憶して、そのまま再現する方法になっているためです。マウスやキーボードで通常行っている操作を、順番通りに再現し記憶させていくことで、プログラムが完成します。人間の代わりにマウスとキーボードを操作してくれるロボットと考えれば、イメージしやすいでしょう。つまり、RPAは、プログラミングの専門知識を持たない人でも、RPAの業務自動化システムを作ることが可能なのです。画面に表示された文字や図形などを視覚的に捉えて、自動作業を実行させることができます。
ただし、導入時にRPAの基本知識をある程度身に付けなければならないことは、念頭に置いておきましょう。プログラムの知識だけではなく、パソコンの構造や動かすための動作をある程度理解していることも必須です。顧客管理システムやエクセル、ワードなど、使用するソフトウェアの操作知識も兼ねそなえていないと、いざ使い始めたときに自分が思っているとおりにRPAを稼働させられないと痛感することになります。
3. RPA 導入の業務効率化
全5回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 RPAとは
- 第2回 RPA導入のメリット
- 第3回 RPA導入事例
- 第4回 製造業におけるRPA導入
- 第5回 RPAの運用と今後の見通し