QCサークル活動とは|QC活動の基礎知識4

QC活動の基礎知識
著者:楽々改善舎 代表 現場改善コーチ 来嶋 一弘

前回は、トヨタ生産方式における品質の考え方を紹介しました。今回は、代表的な小集団活動であるQC サークル活動の進め方やポイントを解説します。

第4回「QCサークル活動とは」を解説していきます。

基礎知識DL

1. QC サークルとは

QC サークルは、第一線の職場で働く人々が自主的に運営を行い、製品やサービス、仕事などの質の管理・改善に取り組む小集団活動のグループです。QC7 つ道具(参考:第2 回)などQC の考え方や手法を活用し、自己啓発・相互啓発を図りながら、創造的に活動を進めます。メンバーの能力向上や自己実現、明るく活力に満ちた職場作り、顧客満足の向上、社会貢献を目指します。

QC サークルによる小集団活動を、QC サークル活動といいます。日本では多くの企業でQC サークル活動が行われ、品質、コスト、納期などの改善において、優れた成果を挙げています。QC 教育は年々充実し、一般財団法人日本科学技術連盟(以下、日科技連)や企業が主催する、さまざまな品質管理セミナーのほか、全国規模でQC サークル大会が開かれています。また、QC サークル活動は、製造業だけでなく、建設業、銀行、病院、ホテル、レストランなどにも広く浸透しています。

QC サークル活動の発展は、日科技連の継続的な取り組み抜きには語れません。2002 年、日科技連は、進化したQC サークル活動の目指す姿として、次の3 点を掲げました。

・個の価値を高め、感動を共有する活動
・業務一体の活動の中で、自己実現を図る活動
・形式にとらわれない、幅広い部門で活用される活動

当時、日本の製造業は拡大期にあり、業務が優先される中で、自己実現の楽しさと品質向上の実現を目指す方針は、極めて斬新かつ柔軟なものでした。このように、教育の積み重ねによってQC サークルが育ち、少しずつ改善成果を積み上げていきました。QC サークル活動は、始めからうまくいったわけではありません。ほとんどのサークルでは、参加率の低さやマンネリ化などで悩み、リーダーを中心に大変な苦労がありました。それを乗り越えることにより、スキルを身に付け、一歩ずつ成長することができました。また、体験を通じ、継続は大きな力になることを学ぶことができました。今でも、さまざまな苦労を経験しながら、克服の喜びを求めて活動が続けられています。

図1 は、あるQC サークルの活動風景です。参加者が異なった作業服を着ていることに気が付きましたか? これは、QC サークル活動を製造業とサービス業の異業種交流に応用した事例です。

QCサークル活動で異業種交流
図1:QCサークル活動で異業種交流

2. QC サークル活動の進め方

QC サークル活動の目的の一つは、明るく楽しく、やりがいのある職場を作ることです。雰囲気の良くない職場は、コミュニケーションが悪く、品質や能率も低下しがちです。職場で過ごす時間は、生活時間の大半を占めます。明るい人生を過ごすためにも、職場は楽しく明るいものであるべきです。そのためにも、職場の全員が心を一つにして活動することが重要です。

実際にQC サークル活動を始める際のポイントは、5 つあります。

1:QC サークルは、基本的に同じ職場内の人たちで作ります。同じ職場であれば、同じ目的を持って意志結集しやすいためです。
2:活動を進めやすいメンバーの人数は、3 ~ 10 人です。多すぎると、1 人ずつ意見を述べるのに時間がかかり、発言しない人が増えます。人数の多い職場では、複数のグループに分けてQC サークルを編成します。
3:メンバーが気楽に発言できる雰囲気を作ることが大切です。活動のスタート時期は、自由な話題で話し合うのが望ましいでしょう。
4:話し合いでは、まず、QC サークルとはどのようなものかを考えます。メンバーは興味を持って取り組み、学ぶことが大切です。
5:気楽に発言できる雰囲気ができたら、メンバーで身近な共通の問題を探し、テーマと目標を決めます。

QC サークルのリーダーは、メンバーの中から選出します。積極的で責任感があり、メンバーに対してリーダーシップのとれる人が望ましいでしょう。テーマは、メンバーが関心を持って、分担しながら取り組めるものを設定します。難しいテーマではなく、2 ~ 3 カ月のサイクルでPDCA を回せる内容にします。例えば、品質や作業時間に関する気付きや、職場の雰囲気を明るくするための方法などがあります。また、仕事がやりにくい、疲れる、仕事の結果に不安が残るといった問題点を挙げてもらい、深く掘り下げていくのもよいでしょう。

テーマを検討するときは、メンバーが自由に発言したことをホワイトボードに書き出して、連想式に案を出し合うブレーンストーミングを活用するのが効果的です。できるだけ多くの案を出した上で、メンバーの関心の高いものに絞り込みます。テーマを確定する前に、上司や他のスタッフに相談して、意見をもらうことも重要です。テーマが確定したらQCサークル活動計画書にまとめ、上司に報告します。

QC サークルのテーマ検討で役に立つ、特性要因図について説明します。図2 は、寸法不良の原因を探るために、QC サークル活動で作成した特性要因図の例です。

特性要因図の一例
図2:特性要因図の一例

図2 では、寸法不良の原因という大きなテーマを解析しています。寸法不良の原因を4M(Man、Machine、Material、Method)の観点から考え、作業者、治工具、機械、材料、作業方法、測定という大項目に分けています。次に、大項目の詳細を書き出し、不良品を作り出した原因を特定しています(図2 の赤枠部分)。このようにして、寸法不良の改善という大きなテーマから、作業者の経験不足、治工具の摩耗、チャック精度の振れ、バイト取付位置という具体的なテーマに絞り込んでいきます。

QC 活動には、さまざまな部門のメンバーが横断的に集まるため、課題の全体像を把握しながら問題点を洗い出すことが必要です。

3. QC サークル活用のポイント

4. QC サークル活動の課題

続きは資料をダウンロードしてご覧ください!

第7回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 QC活動とは
  • 第2回 QC7つ道具
  • 第3回 トヨタ生産方式から学ぶ品質向上
  • 第4回 QCサークル活動とは
  • 第5回 なぜなぜ分析・目で見る管理
  • 第6回 ポカヨケと標準作業
  • 第7回 5S活動とQC活動

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