前回は、ポンプ仕様に基づくターボポンプの選定方法や、主な性能について述べました。今回は、ターボポンプに入出力される動力、ポンプで生じる損失、ポンプ効率について解説します。
第6回「ターボポンプの効率と動力損失」を解説していきます。
第6回もくじ
1. ターボポンプの動力と損失
図1に、ターボポンプの入出力の動力とポンプ内での損失について示します。ターボポンプは、機械的な軸動力が主軸を介してインペラに与えられることにより、液体が吸込口から吐出し口まで流れ、流体的な水動力を得ます。ただし、実際のポンプでは、主軸やインペラが駆動することで、必ず動力損失が生じます。動力損失は、機械損失、漏れ損失、水力損失の3つの損失からなります。
2. 水動力
まず、ポンプの出力である水動力について考えてみましょう。図2に示すように、ターボポンプが質量m、体積Vの液体を高さHだけ持ち上げたとすると、位置エネルギーはmgHだけ増加して仕事をしたことになります。したがって、その単位時間Δt当たりの仕事、すなわち仕事率である動力L w は、液体の密度をρとすればρ=m/Vとなり、次式で表されます。
また、吐出し量Qの定義から、Q=V/Δtとなるので、動力L w は式2のとおり、液体を持ち上げた高さHの関数となります。この動力L w は、ポンプが単位時間に液体に与える有効エネルギーで、水動力と呼ばれます。
上式において、高さHはポンプによって生じるヘッド(液体の単位重量当たりのエネルギー)で、揚程と呼ばれます。
3. 軸動力
4. ポンプ効率と動力損失
全10回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 ポンプとは
- 第2回 ポンプのための流体力学の基礎
- 第3回 ターボポンプの構造と分類
- 第4回 ターボポンプの仕様
- 第5回 ターボポンプの選定
- 第6回 ターボポンプの効率と動力損失
- 第7回 ターボポンプの性能と運転
- 第8回 ターボポンプの比速度と特性曲線
- 第9回 ターボポンプのキャビテーションと吸込み性能
- 第10回 ターボポンプの理論揚程