第3回では、ターボポンプの形式が遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプに分類されることなどについて、第4回ではターボポンプの仕様について説明しました。今回は、ポンプ仕様にもとづくターボポンプの選定、および主な性能について解説します。
第5回「ターボポンプの選定」を解説していきます。
1. ターボポンプの仕様と形式選定
ターボポンプに要求される仕様、すなわち全揚程と吐出し量にもとづいて、どの形式を選定すれば望ましいかを、図1に示します。電源周波数がf=50Hzの東日本地域では同図(a)を、f=60Hzの西日本地域では同図(b)を参照してください。例えば、電源周波数f=50Hzでのポンプ仕様として、図中の赤線と青線で示すとおり吐出し量がQ=0.3m 3 /min、全揚程がH=34mならば渦巻ポンプが、仮に吐出し量がQ=30m 3 /min、全揚程がH=3mならば斜流ポンプあるいは軸流ポンプが選ばれます。なお、同図に境界線で示している区分は、あくまで参考としての領域なので、目安として考えて差し支えありません。
2. 小形渦巻ポンプの性能線図
図2に、小形渦巻ポンプの性能線図の一例を示します。横軸に吐出し量Qを、縦軸に全揚程Hをとり、ポンプ仕様に対して電動機の動力(0.4~132kW)と極数(2極、4極)、ポンプの吸込口径(50~200mm)をどのように選定するかを線図で表しています。このポンプ運転条件は、片吸込み形で0~40℃での清水を取り扱い、最高使用圧力は1MPa、電動機の電源周波数は50Hz、三相誘導電動機との直結式です。例えば、図 中 の 赤 線で 示 すとおり、吐 出し量 が Q=0.3m 3 /min、全 揚 程 がH=34mならば、2極の電動機動力3.7kWを用い、吸込口径は50mmか65mmにするのが適切です。
メーカーカタログでの単段渦巻ポンプの選定図を、図3に示します。横軸に吐出し量Q、縦軸に全揚程Hを示し、数種の機種が選定できるように描かれています。例えば、図中の赤線と青線で示すとおり、吐出し量がQ=0.3m 3 /min、全揚程がH=34mならば、数種のポンプが選定できます。ここでは、電動機の極数が2極の型式名FS2を選ぶことにします。
また、図4に電動機が2極で50HzのFS型片吸込渦巻ポンプの選定図を示します。図中に示すように、機名は50×40FS2G53.7と決定します。つぎに、表1の要目表でFS型の機名を確認すると、口径、電動機の出力、吐出し量、全揚程のほかに騒音値、標準許容押込圧力、防振架台適用表などが記されています。また、表2に、この片吸込渦巻ポンプの標準仕様を示します。
3. 渦巻ポンプの性能曲線
4. 電動機の回転速度と動力
5. ポンプの口径
全10回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 ポンプとは
- 第2回 ポンプのための流体力学の基礎
- 第3回 ターボポンプの構造と分類
- 第4回 ターボポンプの仕様
- 第5回 ターボポンプの選定
- 第6回 ターボポンプの効率と動力損失
- 第7回 ターボポンプの性能と運転
- 第8回 ターボポンプの比速度と特性曲線
- 第9回 ターボポンプのキャビテーションと吸込み性能
- 第10回 ターボポンプの理論揚程