粉体の基礎物性|粉体工学の基礎知識2

粉体工学の基礎知識

著者:株式会社 ナノシーズ 技術顧問 工学博士 羽多野重信

第2回「粉体の基礎物性」を解説していきます。

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1. 粒子径と粒度分布

粉体物性は、単一粒子の物性(一次物性)と、集合体としての物性(二次物性)に分けられます。ここでは、一次物性を粒子固有の物性という意味で基礎物性として紹介します。

粉体を構成する粒子の大きさを表現するとき、粒度という言葉が使われることがあります。これは、粉体を構成している粒子の大きさの程度を表わす場合に用いられ、メッシュのような長さ以外の尺度をいいます。これに対して、長さで表わす場合に粒子径(または粒径)が用いられます。

粒子径の大きさを表わすには、以下のような方法があります。

幾何学的径:
粒子の投影画像から得られる幾何学的な大きさ
(長軸径、短軸径、定方向径など)

相当径:
粒子の投影面積や体積などを円ないし球に相当させる
(周長円相当径、投影面積円相当径、体積球相当径など)

有効径:
特定の物理学的法則を用いて粒子径に換算
ストークス径、レーザー回折・散乱法による粒子径など)

粒子の大きさには、特殊な場合を除き必ず分布があります。これを粒度分布(または粒子径分布)といいます。粒度分布は個数を基準にする場合と質量を基準にする場合があり、一般的には質量基準で表わします。

分布の表現には図1 のように、積算分布、ヒストグラム、頻度分布があります。積算分布は、右上がりの曲線となるふるい下積算で表わします。また、対数正規分布やロジン・ラムラー分布で表わすと直線になることが多いので便利です。

最近では、レーザーを用いた光回折・散乱法が、測定時間が短い、再現性がよい、サブミクロン域まで測定できる、などの理由で標準的な方法として広く用いられています。

横軸を対数目盛とした場合のグラフ表示
図1:横軸を対数目盛とした場合のグラフ表示

2. 密度と形状

一般に物質の密度は、質量を体積で割った値で表わされます。

粉体の場合、粒子には図2のように、クラック、細孔、空孔などを多く含むものがあります。したがって、粒子の密度はこれらの体積の測り方によって異なります。

真密度は、材質そのものの密度です。粒子密度は、閉気孔を含んだ状態を体積とした場合の密度で、クラックや細孔まで体積に含めた場合は見かけ粒子密度といいます。

粒子の内部構造の例
図2:粒子の内部構造の例

粉体層の密度はかさ密度といいます。粒子密度や見かけ粒子密度など単一粒子の密度と混同しないよう注意が必要です。

測定方法は、図3のように、a:ピクノメータを用い液体で置換される粉体の体積から密度を求める方法や、b:同容積の2室の一方に試料粉体を入れ、それぞれを同時に一定圧まで加圧し、そのときの体積の差から試料粉体の体積を求める方法などがあります。これらにより測定されるのは粒子密度です。

ピクノメータと圧力比較法の原理
図3:ピクノメータと圧力比較法の原理

粒子の形状を表現するための指標は、形状指数と形状係数に分類できます。形状指数は、長短度、扁平度、円形度など、粒子の形状そのものを定量的に表現する目的で使われます。形状係数は粒子を球とみなしたときの補正を目的として使われます。

形状を測定するには、顕微鏡写真など画像から求める直接測定法と、粒子の沈降特性や付着特性など物理的特性を利用した間接法に分けられます。

3. 比表面積と細孔

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全5回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 粉の歴史とその恩恵
  • 第2回 粉体の基礎物性
  • 第3回 粉体の特性
  • 第4回 さまざまな分野で使われる粉粒体
  • 第5回 粉体に関するトラブルの実態と対策

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