前回は、プラスチック材料の特性を解説しました。今回から2回にわたり、プラスチックの成形法を見ていきます。今回はプラスチック成形法の概要と、よく利用される成形法から射出成形を取り上げ、詳しく解説します。
第3回「プラスチック成形法と射出成形」を解説していきます。
第3回もくじ
1. プラスチック成形法の概要
プラスチックの成形法には、多くの種類があります。その基本的な考え方はどれも同じで、図1 のようなプロセスを経て製造されます。
このとき、どのようにして溶融プラスチックを製品の形状で固化させるかを、優先して考えてしまいがちです。しかし、金型から素早く取り出すことも重要なポイントです。鋳物のように、毎回砂型を壊して製品を取り出したのでは、低コストで生産できません。
熱可塑性プラスチックの場合、加熱して溶融状態にし、冷却によって固化させます。熱硬化性プラスチックでは、溶融状態のプレポリマー(反応前の高分子)を成形時に加熱して、化学反応によって硬化させます。
図2 に、主なプラスチック成形法の種類を示します。
プラスチック製品の大半は、射出成形、押出成形、ブロー成形のいずれかによって作られています。この3つの成形法のどれを選択するかは、製品の形状によってある程度決まります。表1 に、各成形法と製品形状の関係を示します。
この他にも、さまざまな成形法があります。その多くは、生産量やサイズ、材料特性などの理由で、この3 つの成形法が使えない場合に選択されます。例えば、真空成形は成形時間が長くかかるものの、金型費用が安いため、サイズの大きな製品や少量生産に向いています。圧縮成形は、非常に古くからある成形法で、熱硬化性プラスチックの成形で活用されています。
これからプラスチックの成形法を学ぶ人は、まずは射出成形、押出成形、ブロー成形を理解するとよいでしょう。この3 つを理解すれば、世の中のプラスチック製品の大半を作ることができ、その他の成形法にも応用が可能です。今回は、射出成形を詳しく解説します。
2. 射出成形
全8回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 プラスチックとは?メリットとデメリットとは?
- 第2回 プラスチックの材料特性
- 第3回 プラスチック成形法と射出成形
- 第4回 押出成形とブロー成形
- 第5回 プラスチックの二次加工
- 第6回 プラスチック製品の設計手順
- 第7回 プラスチック製品の材料と成形法の選び方
- 第8回 プラスチック製品の不具合