前回は、プラスチックのメリットやデメリット、製造に関わる技術分野を解説しました。今回は、プラスチック材料の特性を解説します。
第2回「プラスチックの材料特性」を解説していきます。
1. プラスチック材料の特性
製品の材料としてプラスチックを使う場合、製品の要求事項を明らかにし、それを満足する特性を持ったプラスチックを選ぶ必要があります。表1 に、プラスチックを選ぶ際に指標となる特性を示します。
これらの特性は、プラスチックを構成する物質によって決まります。プラスチックは主に、原料(ポリマー)と配合剤で構成されています。原料は、ポリプロピレン(PP)やポリスチレン(PS)などの高分子(ポリマー)で、プラスチックの大部分を構成します。同じ原料でもグレードによって性能に幅があります。配合剤は、ガラス繊維や着色剤など、プラスチック性能の向上や、新たな特性を付与する目的で加えられます。図1 に、プラスチックの強度における性能変化のイメージを示します。低コストでプラスチック製品を作るには、原料だけでなく配合剤の知識も不可欠です。
2. プラスチック原料(ポリマー)
プラスチック材料は、その構造や性質によって、図2 のように分類できます。
最も大きな分類は、熱硬化性プラスチックと熱可塑性プラスチックです。表2 に、それぞれの特徴を示します。
熱硬化性プラスチックは、機械特性や化学特性などに優れています。しかし、成形時に化学反応が必要で成形時間が長く、コストが高いというデメリットがあります。そのため、熱可塑性プラスチックでは対応が難しく、要求性能が特別に高い場合に限り使用されています。表3 に、代表的な熱硬化性プラスチックの種類と特性を示します。
一方、私たちの身の回りにあるプラスチックの多くは、熱可塑性プラスチックです。中でも汎用プラスチックは生産量が多く安価なため、日用品から自動車部品までさまざまな製品に使用されています。国内生産量では7 割以上を汎用プラスチックが占めています。表4 に、汎用プラスチックの種類と特性を示します。
汎用プラスチックで要求性能を満足できない場合には、エンジニアリングプラスチックが使用されます。エンジニアリングプラスチックは、耐熱性などの違いにより、汎用エンジニアリングプラスチック(耐熱性100℃以上)と、スーパーエンジニアリングプラスチック(耐熱性150℃以上)に分けられます。いずれも要求性能の高い部位で使用されます。ただし、生産量が少ないためコストが非常に高いのがネックです。表5、6 に、汎用エンジニアリングプラスチックと、スーパーエンジニアリングプラスチックの種類と特性を示します。
表7 に、その他に分類されるプラスチックの種類を示します。熱可塑性エラストマーは、ゴムの代替として適用範囲が広がっています。生分解性・バイオマスプラスチックは、高まる環境ニーズに対応できるプラスチックとして注目されています。
3. プラスチックの配合剤
4. プラスチック使用時の注意点
全8回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 プラスチックとは?メリットとデメリットとは?
- 第2回 プラスチックの材料特性
- 第3回 プラスチック成形法と射出成形
- 第4回 押出成形とブロー成形
- 第5回 プラスチックの二次加工
- 第6回 プラスチック製品の設計手順
- 第7回 プラスチック製品の材料と成形法の選び方
- 第8回 プラスチック製品の不具合