前回は、配管の劣化対策について紹介しました。最終回の今回は、配管の耐用年数と長寿命化を取り上げます。近年、建物や生活環境に対する信頼性や、安全性の確保が強く要求される中、配管設備の長寿命化が求められるようになりました。長寿命化を目指す際に、注意すべき点を説明します。
第7回「配管設備の長寿命化」を解説していきます。
1. 配管の耐用年数
配管の耐用年数とは、配管設備が老化現象を起こし、補修が不可能となる年数のことです。更新工事の予測をするためにも必要な知識です。耐用年数は管・継手の素材や使用環境、保全管理の適否などで変わるため、設定は困難です。表1に、配管システムの耐用年数に影響を与える条件をまとめました。これ以外にも、建物の用途や施工技能によっても耐用年数は変わります。
配管の種類や使用される場所によって、必要な耐用年数は異なります。耐用年数の目安として、グレードがあります。グレードとは、配管の位置や、管材の種類と接合方法の組み合わせなどによって、必要な耐用年数(期待耐用年数)をA~Eの5つに分類したものです。グレードの詳細をまとめました。
・グレードA
グレードAの期待耐用年数は60年以上です。グレードAが指定される配管は、土間コンクリートの下、舗装の下、壁や床の埋め込み、ブロック積やパイプシャフト内など、補修する際に建築構造の破壊を必要とする箇所です。水道用鉛管や排水用鉛管をはんだ付け・軟ろう付けした場合も、グレードAが求められます。
・グレードB
グレードBの期待耐用年数は40年以上です。補修時に仕上げ材の取り外しを必要とするプレハブ天井内、床下配管、作業用マンホール付の部位などへの配管が該当します。屋内配管用ステンレス鋼管を溶接した場合もグレードBが必要です。
・グレードC
グレードCの期待耐用年数は30年以上です。二重天井内のように、仕上げ材の交換と同時期に修繕を実施する配管や、炭素鋼鋼管や屋内配管用ステンレス鋼管を電気溶接した場合などが当てはまります。
・グレードD
グレードDの期待耐用年数は20年以上です。全面開扉シャフト内や配管ユニット内、全面ふた付きピットなど、点検扉を有している部位への配管はグレードDです。
・グレードE
グレードEの期待耐用年数は15年以上です。随時交換ができる機械室内配管、屋上露出配管、土中配管、器具内配管などが当てはまります。
2. 配管設備の長寿命化
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 配管とは?
- 第2回 配管の素材
- 第3回 配管の付属品
- 第4回 配管の接合材・防食材・支持固定・保温保冷
- 第5回 配管施工の法令・手順・試験
- 第6回 配管の劣化とメンテナンス
- 第7回 配管設備の長寿命化