前回は、配管の施工に関わる法令と、施工手順、配管試験を紹介しました。今回は、配管の劣化とメンテナンスについて解説します。配管は、配管内部の腐食や、スケール・スライムと呼ばれる汚れが付着し、管断面が閉そく・縮小して劣化します。配管のメンテナンスは、電気・ガス・水道などのライフラインを、安全かつ安定して供給するために不可欠です。
第6回「配管の劣化とメンテナンス」を解説していきます。
第6回もくじ
1. 配管の腐食
配管の劣化要因の一つに、腐食があります。配管材料によって、腐食の進行にも特徴があります。そのため、配管材料、施工、メンテナンスを通して、総合的な防食技術が必要です。腐食は、湿食と乾食の2つに分けられます。湿食は水が関与する腐食、乾食は水が関与しない腐食です。配管における代表的な腐食は、全面腐食、局部腐食、損傷を伴う局部腐食の3つです。
・全面腐食
全面腐食は、表面全体が腐食して、一様にさびを発生するか、均一に減肉する現象です。
・局部腐食
局部腐食は、表面の一部が特に腐食する現象です。その他の部分はあまり腐食しません。孔食、粒界腐食、かい食(エロージョン)、すきま腐食などの種類があります。
・損傷を伴う局部腐食
損傷を伴う局部腐食は、腐食環境下で、配管材料に応力が加わったときに割れのような損傷を生じる腐食反応です。応力腐食割れ、腐食疲労、水素ぜい性、脱亜鉛などの種類があります。
2. 配管の劣化の状態・原因
配管の劣化の状態と原因を紹介します。亜鉛めっき鋼管、樹脂ライニング鋼管(給水用)、銅管、ステンレス鋼鋼管、鋳鉄管、塩ビ管(VP・HIVP)の腐食形態をまとめました。
1:亜鉛めっき鋼管の劣化
亜鉛めっき鋼管では、主に腐食による劣化が発生します。全面腐食・孔食・さびこぶなどの腐食が生じ、その要因はさまざまです。表1に、亜鉛めっき鋼管の劣化の状態と原因をまとめました。
2:樹脂ライニング鋼管(給水用)の劣化
樹脂ライニング鋼管(給水用)で劣化が発生しやすい部位は、直管、継手、管端・ねじ接合部、弁・水栓との接合部です。他の管と異なり、ライニング材やコーティング材の膨れ・剥離によっても劣化します。表2に、樹脂ライニング鋼管(給水用)の劣化の状態と原因をまとめました。
3:銅管の劣化銅管の劣化
は、直管・継手、管・継手接合部、給水・給湯栓との接続部、管・継手の外表面などで生じます。銅管では、保温材の材質に注意が必要です。牛毛フェルトやグラスウールを使用すると、強酸が染み出し、外表面を腐食させることがあります。表3に、銅管の劣化の状態と原因をまとめました。
4:ステンレス鋼鋼管の劣化
ステンレス鋼鋼管の劣化は、局部腐食によるものがほとんどです。劣化を抑えるには、腐食対策を講じることが重要です。表4に、ステンレス鋼鋼管の劣化の状態と原因をまとめました。
参考:アルミニウム、ステンレス鋼、銅の腐食:腐食の基礎知識2
5:鋳鉄管の劣化
鋳鉄管の代表的な劣化は、管・継手に発生する局部腐食と異物付着です。日頃から清掃を行うことで、異物付着による劣化を防げます。表5に、鋳鉄管の劣化の状態と原因をまとめました。
6:塩ビ管(VP・HIVP)の劣化
塩ビ管の特徴は、物理的な損傷による劣化が起こりやすい点です。変形・割れ・抜けや、屋外暴露による物性低下に注意しましょう。金属管に見られた腐食劣化は生じません。表6に、塩ビ管の劣化の状態と原因をまとめました。
3. 配管の劣化対策
4. 配管の劣化診断
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 配管とは?
- 第2回 配管の素材
- 第3回 配管の付属品
- 第4回 配管の接合材・防食材・支持固定・保温保冷
- 第5回 配管施工の法令・手順・試験
- 第6回 配管の劣化とメンテナンス
- 第7回 配管設備の長寿命化