前回は、配管の接合材・防食材・支持固定・保温保冷を紹介しました。今回は、配管の施工に関わる法令、施工手順、配管試験について解説します。
第5回「配管施工の法令・手順・試験」を解説していきます。
第5回もくじ
1. 配管施工に関する法令と仕様書
配管の施工は、配管を加工・接続し、所定の場所に支持・固定する一連の作業です。これらの作業は、建築基準法や消防法などの法律に基づいて計画・実施します。施工前には、適用を受ける法規や条例に応じて、監督官庁との協議が必要です。
配管施工で最初に行うのは、建築物の仕様書の決定です。配管の施工は、仕様書に従って行う必要があります。仕様書では、流体に適合した配管材料や、配管の切断・加工を行うための工具、取り付け時の支持金具、保温・保冷工事や試験手順など、詳細な施工方法が定められています。代表的な8 つの仕様書と発行主体をまとめました。
・公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編):国土交通省大臣官房 官庁営繕部 監修
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編):国土交通省大臣官房官庁 営繕部 監修
・空気調和・衛生設備工事標準仕様書:公益社団法人空気調和・衛生工学会
・公共住宅建設工事共通仕様書:独立行政法人都市再生機構
・木造住宅工事仕様書:住宅金融支援機構
・枠組壁工法住宅工事仕様書:住宅金融支援機構
・鉄筋コンクリート造等住宅工事仕様書:住宅金融支援機構
・機械設備工事標準仕様書:各都道府県
2. 配管の施工手順
配管の施工手順は、管の種類によって異なります。今回は、鋼管の施工手順を解説します(図1)。
1:標準仕様書を決定
当該建築物の公共的な標準仕様書を決定し、その方法に従います。
2:配管材料の搬入
配管材や継手などの配管材料を、施工現場や配管加工工場へ搬入します。搬入した配管材料は、規格に合致した適切なものか、数量に過不足がないかを確認します。
3:管の切断・ねじ切り
事前に管径や必要寸法(長さ)を確認し、管の加工作業を行います。
4:管端処理
管端内部のバリ取りと面取りを行い、内部に鋼管部分が露出していないか確認します。
5:ねじ加工
ねじ加工は、自動定寸付きのねじ加工機を使用して行います。
6:接着シール剤の塗布
シール剤の選択は、管種・用途に合わせて行います。
7:管の接合
ねじ込み式の場合、シール剤の塗布、手によるねじ込み、パイプレンチで締結の順に行います。締め付け時には、配管の外面に傷などを付けないように注意します。
8:防錆(せい)処理
管の接合(ねじ込み)終了後、ねじ部の周辺にさび止めを塗布します。
9:配管の支持・固定
吊り金具、支持金具の取り付け、スリーブの埋め込みなどを行い、配管を支持・固定します。確認する点は、吊り高さは均一か、曲がり部に支持はあるか、支持間隔が適切かなどです。工事の進行に伴い、支持・固定する箇所は増えていくので、遅滞なく行います。
10:配管試験
配管の設置が完了したら、適切な圧力と指定された時間で圧力試験を行い、漏れがないか確認します。
11:保温施工
仕様書の施工基準に基づいて保温材の種類や必要厚さ(保温厚)を確認し、施工を行います。
3. 配管試験
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 配管とは?
- 第2回 配管の素材
- 第3回 配管の付属品
- 第4回 配管の接合材・防食材・支持固定・保温保冷
- 第5回 配管施工の法令・手順・試験
- 第6回 配管の劣化とメンテナンス
- 第7回 配管設備の長寿命化