配管の接合材・防食材・支持固定・保温保冷|配管の基礎知識4

配管の基礎知識
著者:有限会社巌技術研究所 代表取締役 土井 巌

前回は、配管の付属品を紹介しました。今回は、配管の施工で用いる接合材、防食材、支持固定、配管の熱損失を防ぐ保温保冷について解説します。

第4回「配管の接合材・防食材・支持固定・保温保冷」を解説していきます。

基礎知識DL

1. 配管の接合材

接合材は、配管・継手の接合に使用します。配管の材質や用途に応じて、適切な接合材を選定します。接合材の選定は、国土交通省が制定した機械設備工事共通仕様書や、公益社団法人日本水道協会(日水協)による規格などに、接着剤の養生時間と接着強度は、メーカーの指示に従います。

1:配管の接合材の種類

代表的な6つの配管接合材の種類と特徴をまとめました。

・ねじ接合材
ねじ接合材は、流体の漏れ防止や腐食防止のため、配管のねじ込み接続部に使用します。テープシール材、一般用ペーストシール剤・防食用ペーストシール剤などがあります。

・ガスケット
ガスケットは、配管のフランジ継手部に用います。流体の漏れ防止や異物侵入防止の役割があり、使用環境の水質、水圧、温度などを考慮し、耐久性のあるものを選定します。0.1MPa以上の高圧蒸気を通す配管には、うず巻形ガスケット(金属材料と緩衝材を重ね合わせてうず巻形状にしたガスケット)を使用します。ステンレス鋼管で用いるガスケットは、水に接しても塩素イオンを溶出しないものを選定します。

・はんだ(軟ろう)
はんだ付けは、はんだ溶加材(鉛とスズの混合物)を用いて配管継手を接合させる方法です。ろう(硬ろう)と比べて低温で溶融するため、簡単に施工できます。しかし、はんだ付け後はろう付けを含む加熱処理作業を行ってはいけません。ろう付けより強度が低い点にも注意が必要です。

・ろう(硬ろう)
ろう付けは、継手部をろう(硬ろう)を用いて接合させる方法です。強度・耐熱性に優れ、はんだより短い時間で冷えて固まる点がメリットです。JIS Z 3261銀ろう、JIS Z 3264りん銀ろうで規定された、カドミウムを含有しないものを使用します。

・ビニル管用接着剤
ビニル管用接着剤は、ビニル管と継手を接着するために用います。ビニル管に面取り(配管の角を斜めに削り取る作業)を行うことで、接着強度を高めることができます。日水協によって、WWA S 101水道用硬質塩化ビニル管の接着剤で規定されています。

・溶接材料
溶接は、プラント配管など高い強度が求められる配管の接合に用いられます。接合する配管の材質により異なる溶接材料を用います。鋼管で使用する溶接材料は、JIS Z 3211軟鋼、高張力鋼及び低温用鋼用被覆アーク溶接棒、JIS Z 3316軟鋼、高張力鋼及び低温用鋼用ティグ溶接溶加棒及びソリッドワイヤで規定されています。また、ステンレス鋼管で使用する溶接材料は、JIS Z 3321 溶接用ステンレス鋼溶加棒、ソリッドワイヤ及び鋼帯で規定されています。

2:配管接合時の注意点

接着剤を用いて樹脂管の接合を行う場合、適量の接着剤を塗布し、十分に乾燥させた後、通水加圧して漏れがないかを確認します。よく生じる欠陥に、ソルベントクラックがあります。ソルベントクラックとは、接着剤に含まれている有機溶剤が塩ビ管に作用して、クラック(微小な亀裂)が発生する現象です。防腐剤でも同様の現象が生じ、低温になる冬期や接着剤の塗布量が多すぎる場合に起こります。対策として、接着剤の適量使用、はみ出した接着剤の拭き取り、十分な乾燥、砕石基礎・くい・配管支持と配管の接触を避けるなどが挙げられます。

2. 配管の防食材

土壌に埋設するなど、腐食環境にさらされやすい配管は、防食材による腐食対策が欠かせません。4つの防食材を紹介します。

参考:鉄鋼材料の防食:腐食の基礎知識4

・防食テープ
防食テープは、配管の表面に巻き付けて被覆することで、土壌に含まれる水分や微生物などの腐食要因と配管が接触することを防ぐテープです。巻き付け作業が容易なので、ジョイント部・屈曲部の施工に適しています。製品によって、低温作業に適しているものやシール性・クッション性に優れるものなどの特徴があります。

・絶縁テープ
絶縁テープは、配管に巻き付けることで土壌と配管との通電を防ぎ、防食するテープです。ブチルゴム系を主成分とするものなどがあります。

・プライマー
プライマーは、配管表面に塗布することで腐食を防ぐ塗料です。主成分の違いにより、ペトロラタム系とブチルゴム系があります。ペトロラタム系はペースト状のプライマーで、ペトロラタムに短繊維および無機質充填材などを加え、非硬化性の粘土状にしたものです。JIS Z 1903ペトロラタム系防食ペーストで規定されています。ブチルゴム系は、ブチルゴムに短繊維および無機質充填材を加え、非硬化性の粘土状にしたもので、固形分を溶剤で溶かして使用します。

・マスチック塗材
マスチック塗材とは、マスチック工法(塗材を大量に塗り固める工法)に用いる塗材です。ペトロラタム系とブチルゴム系があり、いずれもブロック状またはシート状をしています。

3. 配管の支持固定

4. 配管の保温保冷

続きは資料をダウンロードしてご覧ください!

全7回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 配管とは?
  • 第2回 配管の素材
  • 第3回 配管の付属品
  • 第4回 配管の接合材・防食材・支持固定・保温保冷
  • 第5回 配管施工の法令・手順・試験
  • 第6回 配管の劣化とメンテナンス
  • 第7回 配管設備の長寿命化

基礎知識DL

  • 資料ダウンロード

    これさえ読めば簡単に利用できる
    「3分でわかるイプロス無料出展会員」

  • 無料掲載

    イプロスで製品・サービスをPR
    無料掲載のお申し込みはこちらから