前回は、素材別に見た配管の種類を紹介しました。今回は、配管の付属品について解説します。配管の付属品は、配管継手、弁(バルブ)、配管支持金具の3 つに分類することができます。
第3回「配管の付属品」を解説していきます。
1. 配管継手
配管継手とは、管と管を結合するための部品で、配管系の組み立てには不可欠です。JIS B 0151 鉄鋼製管継手用語では、配管(パイプ)の接続などに用いる継手と定義されています。主な役割は、流れの方向転換や分岐、集合、閉そく、管径の変更などです。継手は、配管設備で腐食が最も多く発生する箇所です。
・配管継手の種類
配管継手は、用途や形状、材質などにより、多くの種類があります。継手の使用目的や、配管の種類に応じて、適切な継手を選定する必要があります。JIS には、用途や材質(可鍛鋳鉄、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミ合金、鋳鉄、銅合金、樹脂など)、接続配管の違い(ねじ込み式、差込み溶接式、突合わせ溶接式、フランジ式など)によって、さまざまな管継手の規格があります。形状により分類した継手を10 種類にまとめました。
・エルボ
エルボとは、流体の方向転換が必要な箇所に用いる継手です(図1)。曲がり角度には、45°、90°などがあります。90°エルボの外径をDとすると、曲げ半径1.5D のロングエルボ、1.0D のショートエルボがあり(図2)、一般的にはロングエルボがよく使用されています。
・ベンド
ベンドとは、エルボと同様、流体の方向転換の働きをする管継手です。ベンドの曲げ半径は、パイプ外径の約5 倍(ロング)と約4 倍(ショート)で、エルボよりも曲がり具合が緩い形状をしています。そのため、エルボよりも流体の抵抗を小さくすることができます。
・クロス
クロスとは十字状の形状をした継手で、4 つの管を接続できることができます。ねじを切ってあるもの(ねじ込み式)とねじを切っていないもの(差込み溶接式)があります。装置配管にはあまり使用されません。
・ソケット
ソケットとは、管径が等しい2 本の直管を接続するために用いる継手です(図3)。カップリングとも呼ばれ、ねじ込み式とソケット溶接式があります。
・ティー
ティーとは、T 字型をした管継手のことで、配管をT 字に分岐するために用います(図4)。チーズ、チー、とも呼ばれます。同径のパイプをつなぐチーズだけでなく、異なる径のパイプをつなぐためのチーズもあります。
・ワイ
ワイとは、Y 字形状をした管継手のことで、配管をY 字に分岐するために用います。分岐させる角度は45°や90°があります。排水管など多くの配管で用いられています。
・レジューサ
レジューサとは、途中で径が変わる管継手のことで、直管部分で配管サイズを変える場合に用います(図5)。径が異なる管の中心線が一直線の同心レジューサと、平行にずれている偏心レジューサがあります(図6)。
・ユニオン
ユニオンとは、ユニオンねじ、ユニオンつば、ユニオンナットで構成された継手です(図7)。ユニオン式、ユニオン継手ともいわれ、ナットだけを回して管の接続、分離ができます。また、施工後にナットを緩めて管から取り外すこともできます。
・キャップ
キャップとは、パイプにかぶせるように接続し、パイプの端をふさぐために用いる継手です。雌ねじが切られた形状(外ねじ形状)のものもあります。名称の由来は形状が帽子(キャップ)に似ているためです。
・プラグ
プラグとは、パイプにはめ込むように接続し、パイプの端をふさぐために用いる継手です。雄ねじが切られた形状(内ねじ形状)のものもあり、化粧プラグなどの種類があります。
2. 弁(バルブ)
弁(バルブ)は、流体を移動させたり、逆流を防いだり、流れを止めたり、流量を調整したりする機能を備えた配管設備です。管内流体の種類や、温度、圧力、弁の材料などで分類されます。バルブの操作方法には、手動式と自動式の2 種類があります。手動操作にはハンドル式(図8)、レバー式(図9)、ギア式が、自動操作には電気式、空気式があります。
1:弁の種類と特徴
弁は、弁箱(弁のボディ部)や弁体(外部から操作して流体の動きを制御する部品)の形状で分類することができます。代表的な7 つの弁の種類と特徴を示します。
・ゲートバルブ
ゲートバルブとは、流水を垂直に仕切る構造を持つ弁です。素材には、青銅製、鋳鉄製、鋳鋼製、ステンレス製を用います。半開状態で使用すると抵抗が大きく、振動が発生するため、全開または全閉で使用しましょう。
・グローブバルブ
グローブバルブとは、弁箱が球状をした弁で、玉形弁とも呼ばれます。入り口と出口の中心線が一直線上にあり、流体はS 字状に流れます。メリットは締め切りが良く流量調整しやすい点、デメリットは流体抵抗が大きくなる点です。
・ボールバルブ
ボールバルブとは、弁箱の中に穴が開いた球形の弁体がある弁です。弁体を回転させて流路を開閉し、流体を制御します。流路が一直線なので、全開時の流体抵抗が小さく、操作性に優れ、広範な用途に使用されています。
・バタフライバルブ
バタフライバルブとは円盤状の弁体を持ち、弁体が回転することで流路を開閉する構造の弁です。面間(バルブの入り口から出口までの距離)が短く、配管作業が容易です。ただし、弁体が板状なので、ウォータハンマー(水撃現象:急に弁を閉めると管内に圧力変動が生じ、衝撃音が発生する現象)が生じやすく、操作には注意を要します。
・チャッキバルブ
チャッキバルブとは、流体の逆流を防止するための弁です。逆止弁とも呼ばれ、流体の流れを常に一方向に保つ必要がある箇所に設置します。スイング式、リフト式があり、ウォータハンマー防止として衝撃吸収式逆止弁が使用されます。
・ダイヤフラムバルブ
ダイヤフラムバルブとは、ダイヤフラム(膜)と弁箱とで流路を構成する弁です。ダイヤフラムを弁箱の内面に押し付けたり離したりすることで、流量を調節します。
・ストレーナ
ストレーナとは、こし網(スクリーン)を内部に備えた弁です。流体から異物を取り除いたり、配管内の腐食を分離・排除したりするために用います。
2:弁の素材
代表的な弁の素材は、青銅、黄銅、鋳鉄、鋳鉄ライニング、ダクタイル鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、特殊合金鋼、合成樹脂の9 つです。それぞれの特徴をまとめました。
・青銅
青銅とは、銅、スズ、亜鉛、鉛の合金です。耐摩耗性、耐食性、切削性に優れ、複雑な鋳物を作成しやすく、低圧、中圧の弁に適しています。
・黄銅
黄銅とは、銅、亜鉛の合金です。鋳造性と切削性に優れる一方、応力腐食割れが懸念される環境下や、埋設用途には使用できません。
・鋳鉄
鋳鉄とは、2.1% 以上の炭素を含む鉄合金です。低圧、常温用の弁に用いられます。メリットは鋼に比べ鋳造性、切削性などに優れます。デメリットは延性に欠け、衝撃に弱い点です。
・鋳鉄ライニング
鋳鉄ライニングとは、鋳鉄弁本体の内外面に、ナイロン11 やエポキシ樹脂を粉体塗装したものです。給水系の配管への使用に適しています。
・ダクタイル鋳鉄
ダクタイル鋳鉄とは、通常の鋳鉄を強化・改良して、使用圧力や温度範囲を広げた材質です。蒸気、水、ガス、油系の配管に用いられます。
・鋳鋼
鋳鋼とは、2.1% 以下の炭素を含む鉄合金です。使用圧力・温度範囲が広く、石油プラントの配管に用いられます。
・ステンレス鋼
ステンレス鋼とは、クロム、またはクロムとニッケルを添加した鉄合金です。耐食性、耐久性に優れ、あらゆる分野で広範に用いられます。
・特殊合金鋼
特殊合金鋼とは、炭素以外のさまざまな元素を加えた鉄合金です。耐孔食性、耐腐食性が高く、優れた素材です。
・合成樹脂
合成樹脂とは、人為的に製造された高分子化合物質です。金属より高い耐食性、耐薬品性を持ち、食品や医療分野など、衛生面が重視される配管に多く採用されています。
3. 配管支持金具
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 配管とは?
- 第2回 配管の素材
- 第3回 配管の付属品
- 第4回 配管の接合材・防食材・支持固定・保温保冷
- 第5回 配管施工の法令・手順・試験
- 第6回 配管の劣化とメンテナンス
- 第7回 配管設備の長寿命化