前回は、配管の役割や分類を紹介しました。今回は、素材別に見た配管の種類を解説します。配管の素材には、合金や樹脂などさまざまな種類があり、素材によって管の名称も異なります。配管素材を選択するときは、用途に応じ、素材の長所・短所や経済性を考慮する必要があります。
第2回「配管の素材」を解説していきます。
第2回もくじ
1. 金属管の種類と特徴
配管素材として主に用いられる金属には、ステンレス鋼、アルミニウム、炭素鋼、合金鋼、銅の5種類があります。それぞれの配管の特徴や、どのような環境で用いられているかを解説します。
1:ステンレス鋼管(ステンレス鋼鋼管)
ステンレス鋼は、10.5%以上のクロムを含んだ合金鋼です。ステンレス、ステン、SUS(サス)などと呼ばれることもあります。金属表面にクロム・鉄合金の不動態皮膜を生成するため、優れた耐食性を示し、耐食材料として広い需要があります。長所は、炭素鋼よりもさびにくく、強度に優れ、リサイクルが可能な点です。短所は、高価な点です。配管用ステンレス鋼管には31種類あり、それぞれに耐食性、耐低温性、耐高温性などの特徴があります。代表的なものに、オーステナイト系(SUS304TPなど)、オーステナイト・フェライト系(SUS329J1TPなど)、フェライト系(SUS405TPなど)があります。
よく用いられる配管用ステンレス鋼管は、JIS G 3448:2016一般配管用ステンレス鋼管で規格されています。SUS304TPD、SUS315J1TPD、SUS315J2TPD、SUS316TPDの4種類があり、給水、給湯、排水、冷温水などに用いられます。
・SUS304TPD:通常の給水、給湯、排水、冷温水などの配管に用いられる。
・SUS315J1TPD、SUS315J2TPD:SUS304よりも耐食性があり、SUS316よりも応力腐食割れに強いため、
温水配管などに用いられる。
・SUS316TPD:SUS304よりも耐食性があるため、腐食環境中の配管に使用する。
2:アルミパイプ
アルミニウムの特徴は、軽く、さびにくい点です。純度99.00%以上の純アルミニウムは、強度が低いため、ジュラルミンなどの元素を添加して比強度(密度当たりの強度)を高めます。アルミ角パイプは、主に建築サッシに使用されます。アルミ丸パイプは、熱交換器の配管や、船舶や海洋開発の分野で利用されています。
3:炭素鋼鋼管
炭素鋼鋼管は、炭素鋼を材料・材質とする鋼管です。炭素鋼は鉄と炭素の合金です。炭素の含有量によって、低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼の3つに分類されます。安価に調達できるため、水、蒸気、ガス、油、空気など、多くの種類の配管に利用されています。表1に、主な炭素鋼鋼管を示します。
4:合金鋼鋼管(合金鋼管)
合金鋼は、炭素鋼にクロム、ニッケル、モリブデンなどを添加した鋼です。合金元素の含有量に基づいて、低合金鋼、中合金鋼、高合金鋼の3つに分類されます。低合金鋼は合金元素の合計量が5%以下、中合金鋼は5~10%未満、高合金鋼は10%以上です。合金鋼鋼管は低温・高温に強いため、熱交換用の配管システムや、加熱炉などで利用されています。表2に、主な合金鋼鋼管を示します。
5:銅管
銅は融合性に富んだ金属で、銅管は、給水・給湯管、空調冷暖房用配管・空調用冷媒管、医療ガス配管など多方面に使用されています。銅は亜鉛、スズ、金、銀、ニッケルなどと融合して、さまざまな銅合金を生成します。6種類の代表的な銅、銅合金をまとめました。添加金属が同じでも、製法や用途によって複数の名称があります。
・黄銅、真鍮(しんちゅう):銅と亜鉛による銅合金
・青銅、ブロンズ、砲金:銅とスズによる銅合金
・白銅、キュプロニッケル:銅とニッケルによる銅合金
・赤銅(しゃくどう):銅と金による銅合金
・洋白、洋銀:銅と亜鉛とニッケルによる銅合金
・タフピッチ銅、無酸素銅、リン脱酸銅:純度99.9%以上の純銅
2. 非金属管の種類と特徴
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 配管とは?
- 第2回 配管の素材
- 第3回 配管の付属品
- 第4回 配管の接合材・防食材・支持固定・保温保冷
- 第5回 配管施工の法令・手順・試験
- 第6回 配管の劣化とメンテナンス
- 第7回 配管設備の長寿命化