LAN|ネットワークの基礎知識2

ネットワークの基礎知識

著者:愛知工科大学 工学部 情報メディア学科 教授 宇野 新太郎

前回は、インターネットなど、身近なネットワークを紹介しました。今回は、LANを取り上げます。LANとは、Local Area Networkのことであり、建物内のコンピュータ同士を高速な回線で相互接続するネットワークです。LANの代表的な規格としてイーサネット規格があります。本稿では、LANにおける伝送メディア、コンピュータの接続形態、およびLANとLANを接続する機器などを紹介します。

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1. LANにおける伝送メディア

イーサネットは、IEEE国際標準仕様に準拠したLANの一種です。1973年、アメリカのゼロックス社パロアルト研究所によって開発され、その後、IEEE 802規格として標準化されました。最近では、通信速度100Mbpsのファーストイーサネットや、1Gbps以上の通信を可能にするギガビットイーサネットの普及も進んでいます。表1に、イーサネットにおける代表的な伝送メディアである同軸ケーブル、UTPケーブル、光ファイバ、無線LANを示します。

代表的な伝送メディア
表1:代表的な伝送メディア

・同軸ケーブル
同軸ケーブルは、LANにおいて最初に使われた伝送メディアで、イーサネットにも使われました。同軸ケーブルは、多重構造のケーブルであり、芯線を絶縁プラスチック、メッシュチューブ、被覆で覆います。特徴としては、外部への電磁波の漏れや、外界からの影響を低減する一方、雷や工業用電源など強力な電気・電磁波の影響を受けやすく、強く折り曲げてはいけないなどの制約があります。

・UTPケーブル
UTPケーブルは、細い銅線を2本1組でより合わせたもので、配線がしやすい造りになっています。より対線ケーブルとも呼ばれ、端末とハブを接続する場合などに使われています。対を構成する2本の芯線を均等により分けることで、雑音や漏話を低減でき、折り曲げが可能で配線の自由度が高い一方、同軸ケーブルと同様に、雷や工業用電源など強力な電気・電磁波の影響を受けやすいのが特徴です。

・光ファイバ
光ファイバは、UTPとともに現在のLANにおいて重要な伝送メディアです。同軸ケーブルとは異なり、信号の周波数がかなり高くなるまで損失は一定であり、電磁誘導などでの電磁障害の影響を受けにくいのが特徴です。図1に光ファイバの構造を示します。屈折率が異なる2つの石英ガラス(コア:Core、クラッド:Clad)を同心円状に接合し、光をコアに閉じこめ、光がコアとクラッドの境界で全反射を繰り返しながら進む構造です。

光ファイバの模式図
図1:光ファイバの模式図

光ファイバには、中長距離伝送用のシングルモード光ファイバと、比較的短距離用で安価なマルチモード光ファイバがあります。

・無線LAN
無線を用いたLANは、他の機器からの干渉などもあるものの、比較的構築しやすく、PCやスマートフォンにも搭載され、アクセス系として多く使われています。

2. トポロジーとアクセス制御

トポロジーは、機器がネットワークにどのようにつながるかを示すものです。LANのトポロジーは、バス型、リング型、スター型の3つに分類されます(図2)。

LANのトポロジー
図2:LANのトポロジー

バス型は、1本の基幹線にPCをつなぐものです。ネットワーク全体を止めずに端末を増設・撤去できるのが特徴で、初期イーサネットなどで使用されていました。リング型は、環状の基幹線にPCをつなぐもので、バックボーンレベルや端末間距離が長い場合に使用されます。スター型は、中心にハブを置き、それにPCをつないだものです。現在のイーサネットで採用されています。

LANにおいては、伝送メディアを多くの端末で共有して使用している場合、複数の端末が発生させたパケット(送りたいデータを分割したもの)が同時に送信されると、衝突が起きます。そのため、各端末ができるだけ衝突しないように、何らかの調停機構が必要になります。このように、各端末におけるパケット送信権の調停に関する取り決めのことを、アクセス制御と呼びます。

バス型LANのアクセス制御として、代表的なものにCSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式があります。CSMA方式では、パケットの送信準備ができた時点でLAN上のパケットの有無を観測し、他端末のパケットを発見すると、それが流れ終わるまで送信を控え、空きを確認したら、パケットを送信します。

イーサネットでは、実際には、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)方式が採用されています。CSMA方式との違いは、自パケット送出中に、他端末からのパケット送出があるかどうか常時監視し、衝突を検知した場合、送出を中止し、パケットを一定間隔後、再送出します。ただし、スター型LANにおいては、スイッチングハブの普及により、CSMA/CD方式は使われなくなってきています。スイッチングハブについては、次節で詳しく説明します。なお、無線LANでは、衝突をできるだけ回避するためのCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式が採用されています。

3. LAN間接続制御

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全6回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 身近なネットワーク
  • 第2回 LAN
  • 第3回 IP技術
  • 第4回 TCP
  • 第5回 インターネットサービス
  • 第6回 ネットワークセキュリティ

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