PM(Permanent Magnet)モータは、永久磁石を使用したモータです。永久磁石の開発とともに発展したモータで、多くの場合永久磁石同期モータを指しています。効率が良いため、家電製品や自動車など幅広い分野で使われています。今回はPMモータの構造や分類、駆動原理などを解説します。
第6回「PMモータとは」を解説していきます。
1. PMモータとは
PM(Permanent Magnet)モータは、永久磁石を使用したモータです。永久磁石(PM)の研究開発とともに、発展しました。1930年代にアルニコ磁石(アルミニウムAl、ニッケル Ni、コバルトCoなどを原料とする鋳造磁石)が開発されると、これを応用したハイブリッド型ステッピングモータが作られました。また、同じ1930年代にフェライト磁石が開発されると、DCモータやブラシレスDCモータが作られました。1960年代になると希土類系磁石が開発され、ACサーボモータが作られました。
このように、強い永久磁石が開発されるたびに、その特性を生かすPMモータが開発されてきました。PMモータという言葉は、その時代で最も一般的な種類のPMモータを示します。近年ではPMモータというと、インバータで正弦波電流駆動される永久磁石同期モータ(PMSM、Permanent Magnetic Synchronous Motor)を指します。従って、PMモータと駆動回路を一体として使用します。1997年に京都議定書が締結されてから、家電や自動車などの分野で、特に効率の良いPMSMの利用が急速に進んでいます。
2. PMモータの構造と分類
PMモータの分類方法は2 つあります。1つはロータ(回転子)の構造による分類、もう1つはステータ(固定子)の構造による分類です。前者は、ロータのどこに永久磁石を配置するかで分類されます。ロータの表面に配置するものを表面磁石型同期モータ(SPMSM、Surface Permanent Magnetic Synchronous Motor)と呼び、ロータの内部に埋め込んでいるものを埋込磁石型同期モータ(IPMSM、Interior Permanent Magnetic Synchronous Motor)と呼んでいます。
次にステータの構造による分類を見ていきます。初期のPMモータは、数kW以上という大きな出力を得るために、同期モータのロータの巻線を永久磁石で置き換えた構造でした。そのため、誘導モータのステータと同じように、図2の右のような全節巻の巻線構造をしていました。その後、PMモータにもブラシレスDCモータの巻線のように、突起状の極に集中して巻線を施した図2の左のような集中巻線方式が採用されるようになりました。全節巻のステータと比べて銅損(巻線の抵抗成分により発生する損失)が少なく、効率が良いためです。第5回で解説したサーボモータは、集中巻線表面磁石型同期モータ(SPMSM)が使用されています。
3. IPMSMの駆動原理とリラクタンストルク
4. PMモータの速度トルク特性と応用用途
全8回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 モータとは?
- 第2回 DCモータとは
- 第3回 ブラシレスDCモータとは
- 第4回 ステッピングモータとは
- 第5回 サーボモータとは
- 第6回 PMモータとは
- 第7回 誘導モータとは
- 第8回 モータの選び方