メカトロニクスの製品設計で考えるのは、メカニズム、アクチュエータ、センサ、制御の4 要素です。そして、インターフェースの考慮も必要です。前回は、メカニズム技術を説明しました。今回は、アクチュエータ技術です。機構を動作させるアクチュエータは、メカトロニクスにおいて中心的な役割を果たします。アクチュエータの概念と共に、産業界でよく用いられるモータ、油圧・空圧アクチュエータについて解説します。
第4回「メカトロニクスのアクチュエータ技術」を解説していきます。
第4回もくじ
1. アクチュエータとは?
アクチュエータとは、電気・電磁・熱などの物理的な動力源から、運動を発生させる装置のことです。アクチュエータの由来は、英語のActuate(働かせる、動作させる)です。メカトロニクスと同様に、電気・電子機器が発達する中で生まれた言葉です。アクチュエータの役割は、エネルギー変換です。例えば、電源からの電気エネルギーを、アクチュエータによって回転運動などの機械エネルギーに変換します。
代表的なアクチュエータはモータです。他にも、磁石のエネルギーを受けて直進運動に変換するソレノイドや電流を受けて伸縮運動に変換する形状記憶合金なども、アクチュエータです。機械システムを設計する上で、アクチュエータはなくてはなりません。しかし、そのラインアップは幅広いため、出力や制御方法、用途、コストなどに合わせて使い分け、最適なものを選定する必要があります。
2. モータの種類
アクチュエータの代表は、モータです。モータとは、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する装置の総称です。電動機とも呼ばれます。多くの産業機械・機器で、モータが動力源として使われています。モータの種類はさまざまで、一般的には、信号・電源・変換原理・出力・構造や外観などで分類されます。
・信号による分類:単一、周波数、パルス
・電源による分類:直流電源、交流電源(単相)、交流電源(三相)
・変換原理による分類:電磁、静電、超音波など
・出力による分類:超小型モータ(3W 以下)、小型モータ(3W ~ 100W)、中型モータ(100W ~数kw)、大型モータ(数kW 以上)
・構造・外観:回転型・直進型、構造の大小、回転範囲など
最近では、制御方式の観点、すなわち、信号による分類からモータの選定が行われます。単一信号で動くのがDC モータ、周波数信号で動くのがACモータ、パルス信号で動くのがステッピングモータです。DCモータは、入力と出力が比例の関係にあるので、単純な回路でも制御できます(図2)。
AC モータは構造が簡単で、最初から大きな出力を得られるので、重量物の制御を得意としています(図3)。しかし、電源の周波数に依存しているので、速度を制御するには工夫が必要です。ステッピングモータは、パルス信号で駆動するモータです。コンピュータとの相性がよく、軽量物の位置決め制御を得意としています。
3. サーボモータ
4. 油圧・空気圧アクチュエータ
全9回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 メカトロニクスとは
- 第2回 メカトロニクスの構成要素
- 第3回 メカトロニクスのメカニズム技術
- 第4回 メカトロニクスのアクチュエータ技術
- 第5回 メカトロニクスの電気・電子回路技術
- 第6回 メカトロニクスのセンサ技術
- 第7回 メカトロニクスの制御技術
- 第8回 自動化とロボット技術
- 第9回 メカトロニクスとIoT、AIの連携