労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)|機械安全の基礎知識6

機械安全の基礎知識
著者:職業能力開発総合大学校 教授 千葉 正伸

前回は、訓練によるリスク低減方策を解説しました。今回は、職場の安全衛生管理を、自主的かつ継続的に行うための労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS:Occupational Safety and Health ManagementSystem)を紹介します。

第6回「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」を解説していきます。

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1. 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の改正

2003 年以降、日本の代表的な企業で、重大な災害が相次いで発生しました。これを受け、大規模製造業事業場は、安全管理体制および安全衛生活動に関する自主点検を実施しました。厚生労働省が自主点検の結果をまとめたところ、災害発生率が高い事業場では、6 つの問題点があることが分かりました。また、6 つの問題点に対する経営トップの積極的な取り組みが重要であることも明らかになりました。

・事業場のトップ自らによる率先した安全管理活動の実施が不十分である。
・事業場のトップが、安全管理に必要な人員・経験や経費に不足を感じている。
・下請け業者など、協力会社との安全管理の連携や情報交換が不十分である。
・労使が協力し、安全問題を調査審議する安全委員会の活動が低調である。
・安全管理者、および現場労働者への教育が不十分である。
・設備・作業の危険性の大きさを評価し、災害を防ぐための措置の実施が低調である。

一方、リスク評価や労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)実施事業場の災害発生率は低く、OSHMS 導入に効果があることも分かりました。

近年は、労働災害の減少率が鈍化しています。原因の一つに、安全衛生管理のノウハウを蓄積したベテラン従業員の退職が挙げられます。安全衛生管理のノウハウが十分に継承されず、事業場の安全衛生水準が低下し、労働災害の発生につながるという懸念があります。

このような状況の下、2001 年に告示された労働安全衛生マネジメントシステムの指針(労働省告示第53 号)は、労働安全衛生法と併せて改正され、2006 年4 月から適用されました(厚生労働省告示第113 号)。主な変更は、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を適切に実施しており、一定の安全衛生水準を上回る事業者は、労働基準監督署の認定を受けることにより、労働安全衛生法代88 条第1 項、および第2 項に基づく計画の届出義務が免除される点です。

2. 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の目的

労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)は、労働者の協力の下に、事業者が継続的に行う自主的な安全衛生活動の仕組みです。具体的には、経営との一体化、本質安全への取り組み、自主的な対応の促進の3 本立てです。そして、労働災害の防止と安全衛生水準の向上を実現していきます(図1)。

労働安全衛生マネジメントシステムの導入意義
図1:労働安全衛生マネジメントシステムの導入意義

3. 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の特徴

4. 労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格

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全7回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 機械安全のリスクアセスメント
  • 第2回 機械安全のリスク低減
  • 第3回 保護具による残留リスクの低減
  • 第4回 教育による残留リスクの低減
  • 第5回 訓練による残留リスクの低減
  • 第6回 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)
  • 第7回 労働安全衛生法と安全配慮義務

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