機械安全のリスク低減方策には、設計段階と使用段階の2 段階があります。前回は、設計段階におけるリスク低減方策を説明しました。今回から3 回にわたり、使用段階におけるリスク低減方策を取り上げます。今回は、主な保護具について解説します。
第3回「保護具による残留リスクの低減」を解説していきます。
第3回もくじ
1. 使用段階でのリスク低減方策
機械の安全性は、まず、設計段階で十分に検討されなければなりません。設計段階におけるリスク低減方策は、国際安全規格ISO 12100において、3 ステップメソッドと呼ばれています。ステップ1:本質的安全設計と、ステップ2:安全防護設計(ガードおよび保護装置)でハード的なリスク低減を行い、それでも残った危険性(残留リスク)は、ステップ3:使用上の情報で取り扱い説明書(マニュアル)に明記し、使用者側に情報提供します。
設計段階の残留リスクは、使用段階で低減方策を講じます。使用段階のリスク低減フローでは、追加の保護装置、訓練(教育)、作業の組織・用具の適用および監督、個人用の保護具などの方策があり、この順番で実施する必要があります(図1)。
2. リスク低減のための保護具
まずは、一番身近な保護具から詳細を見ていきます。保護具は、機械を使用する際、作業環境や作業の危険から身を守るために装着する道具です。代表的な保護具は、足のけがを防ぐ安全靴や、落下物から頭を保護するヘルメット、目を守る保護めがねです。また、安全帯は重大災害の防止に欠かせません。
保護具を装着したからといって、あらゆるリスクから身を守ることはできません。リスクを軽減することはできます。保護具を装着すると行動が制限される場合があり、厄介で邪魔なものと考える人がいるかもしれません。しかし、危険から身を守るための必要性を十分に理解し、必ず装着してください。また、保護具は万能ではないことや、作業内容に見合った適切な保護具を使用することの大切さも、理解する必要があります。
3. ヘルメット
4. 安全帯
5. 安全靴
6. 保護めがね
7. 防じんマスク
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 機械安全のリスクアセスメント
- 第2回 機械安全のリスク低減
- 第3回 保護具による残留リスクの低減
- 第4回 教育による残留リスクの低減
- 第5回 訓練による残留リスクの低減
- 第6回 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)
- 第7回 労働安全衛生法と安全配慮義務