寸法記入に関する決まり事|機械製図の基礎知識6

機械製図の基礎知識
著者:Material工房・テクノフレキス 代表 藤崎 淳子

前回は、部分投影図、局部投影図、部分拡大図、相貫線の描き方を紹介しました。これまで、対象物を図形にして示す投影図の描き方や、特殊な図示法について学んできました。しかし、図形だけでは、対象物のサイズが分かりません。図形に寸法を記入することで、図面は成り立ちます。今回は、寸法記入に関するJISの基本ルールを解説します。

第6回「寸法記入に関する決まり事」を解説していきます。

基礎知識DL

1. 寸法数値の向き、寸法補助線、矢の種類

JISによると、寸法とは、決められた方向での、対象部分の長さ、距離、位置、角度、大きさを表す量であると定義されています。寸法により長さや角度を指示することで、対象物の形状を定義することができます。

寸法は、主に次の要素から成り立ちます。

・横方向の長さ
・縦方向の長さ
・任意方向の長さ
・角度
・円、または球の直径
・円、または球の半径

投影図に寸法を記入するには、細い実線で描いた寸法補助線と、寸法線を用います。寸法線の上には、寸法数値を記入します。

寸法記入要素には、次のものがあります(図1)。

・寸法補助線:投影図の外側に寸法を導く細い実線
・寸法線:寸法数値を表すための細い実線
・引き出し線:穴やねじなどの形状から引き出す細い実線
・寸法線の端末記号(矢、斜線、黒丸):寸法線の両端に付ける矢印などの記号
・寸法数値:寸法線の端末記号で挟まれた領域の大きさを表す数値
・寸法補助記号(φ、C、Rなど):寸法に形状の意味を持たせる記号

寸法記入要素
図1:寸法記入要素

寸法補助線は、図形と接して引き出し、寸法線を1~2mm延長した辺りまで描きます。寸法線の先端に付ける端末記号には、通常は矢印を用います。ただし、領域が狭く、端末記号を記入しにくい場合は、矢印の代わりに斜線、あるいは黒丸を付けます(図2)。CADでは端末記号の種類を選択したり、自動的に適用させたりすることも可能です。ただし、1枚の図面の中では、斜線、または黒丸のどちらかに統一します。

端末記号の使い方
図2:端末記号の使い方

2. 寸法数値の記入

長さ寸法の数値の単位は、ミリメートル(mm)で表します。ただし、図面では、サイズ公差も含め、数値には単位記号を付けません。角度寸法の数値の単位は、度(°)で表します。なお、必要に応じて、分(′)や秒(″)を使うこともできます。角度寸法の場合、数値には単位記号を付ける必要があります。

寸法数値の配置には規定があります。一般的に、水平方向の寸法線に対しては、図面の下辺を下にして読めるように配置します。また、垂直方向の寸法線に対しては、図面の右辺を下にして読めるように配置します。斜め方向の寸法数値についても、これに準じて配置します(図3)。

寸法数値の配置
図3:寸法数値の配置

なお、図4のように、引き出し線から水平線を引き、その上に寸法数値を配置しても問題ありません。

引き出し線を用いた寸法数値の記入例
図4:引き出し線を用いた寸法数値の記入例

3. 長さ寸法の記入例

4. 角度寸法の記入例

続きは資料をダウンロードしてご覧ください!

全10回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 図面とは
  • 第2回 投影図の描き方
  • 第3回 加工と投影図の向き
  • 第4回 特殊な図示法1
  • 第5回 特殊な図示法2
  • 第6回 寸法記入に関する決まり事
  • 第7回 寸法補助記号1
  • 第8回 寸法補助記号2
  • 第9回 寸法の配列
  • 第10回 寸法記入思考

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