投影図の描き方|機械製図の基礎知識2

機械製図の基礎知識
著者:Material工房・テクノフレキス 代表 藤崎 淳子

前回は、製品開発における図面の役割と、設計・製図に必要な基本要素を紹介しました。今回は、投影図の描き方を解説します。立体形状を図面として表すための、平面の投影図の概念をつかみ、正しい図面を描くために必要な、JISで定められた図面様式を理解しましょう。

第2回「投影図の描き方」を解説していきます。

基礎知識DL

1. 用紙サイズ、線の種類と用途、尺度

3DCADを使った設計が主流になりつつある現在、図面の描き方も、さまざまに試行錯誤されています。例えば、図面を使用せず、3Dモデル上に直接寸法を記入する図面レスの方法や、図面には主要寸法だけを記入し、一般寸法は3Dモデルを参照させるなどの方法です。しかし、加工や検査の現場では、紙の図面がないと作業性が悪いため、紙図面はどうしても必要とされます。

紙図面のサイズについて、JIS製図では、A列の5種類を標準サイズとして規定しています。A0を最大として、それを半分にしたものがA1です。また、A1を半分にしたものがA2、その半分がA3 という具合に小さくなります(図1)。

図面の大きさと種類
図1:図面の大きさと種類(引用:JIS B0001 A列サイズ-第一優先、2019年、P.5)

A3以上の大きな紙図面は、持ち運び時や保管時には折りたたむ必要があります。この折り方にもルールがあります。折り方の種類には次の3つがあり、どれもA4サイズ仕上がりに折りたたむ方法です。

・基本折り:一般的に折りたたむ方法
・ファイル折り:とじ代を設けて折りたたむ方法
・図面袋折り:主にとじ穴のあるA4の袋の大きさに入るように折りたたむ方法

表1に、一般的に用いられる基本折りの折り方を示します。なお、表1で示した表題欄については、次の項目で説明します。

図面の基本折り
表1:図面の基本折り(引用:JIS Z 8311 基本折り、1998年、P.10)

図面に描く線にも、種類と太さ、そして適用のルールがあります。線種と太さは次の8種類です。なお、旧JISにあった中線(ちゅうせん)は、現在のJISには存在しません。

・太い実線(じっせん)
・細い実線
・極太の実線
・太い破線(はせん)
・細い破線
・太い一点鎖線(いってんさせん)
・細い一点鎖線
・細い二点鎖線(にてんさせん)

表2に、線の適用ルールを示します。

線の種類と適用
表2:線の種類と適用(抜粋)(引用:JIS B0001 線の種類および用途、2019年、P.8)

図面に描く図形は、原寸大が良いとされます。しかし、設計する部品の性質上、図面サイズに対して投影対象物が小さすぎたり、逆に大きすぎたりすることがあります。その場合、尺度を変更して図面を描くことができます。尺度について、JISでは推奨尺度が規定されています。ここに手ごろな尺度がなければ、自分で最適な尺度を決めて使用しても差し支えありません(表3)。

推奨する尺度
表3:推奨する尺度(引 用:JIS B 0001推奨する尺度、2019年、P.20)

2. 表題欄

表題欄は、図面管理をする上で必要な事項を記入する欄です。図面の履歴書といえるでしょう。A3サイズ以上の図面では右下に、A4サイズの図面では下方に配置します。JISでは表題欄のフォーマットを規定していないため、企業それぞれの形式で作成されています。表題欄に記載する項目には、一般的に次のようなものがあります。なお、最近では、3Dモデルデータの番号を表題欄に記入することもあります。

・投影法
・尺度
・版数
・部品名称
・部品(図面)番号
・材料記号
・表面処理記号
・製図者の名前
・承認者の名前
・日付
・企業名
・普通許容差
・単位

図2に、表題欄の記入例を示します。

表題欄の記入例
図2:表題欄の記入例

3. 第一角法と第三角法と矢示法

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全10回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 図面とは
  • 第2回 投影図の描き方
  • 第3回 加工と投影図の向き
  • 第4回 特殊な図示法1
  • 第5回 特殊な図示法2
  • 第6回 寸法記入に関する決まり事
  • 第7回 寸法補助記号1
  • 第8回 寸法補助記号2
  • 第9回 寸法の配列
  • 第10回 寸法記入思考

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