前回は、ねじの製図方法を紹介しました。今回は、最終回です。歯車とばねの製図の決まりごとについて解説します。歯車とばねは、ねじと同様に代表的な機械要素です。歯車とばねの種類と機能、および図面での表し方を学びましょう。
第6回「歯車とばねの製図」を解説していきます。
1. 歯車の種類
歯車は、その形状、用途、材質などにより、さまざまな種類に分類できます。その中でも、歯車軸によっては、次の3つに分類できます。
・2軸が互いに平行である歯車(平歯車、はすば歯車、内歯車)
・2軸が1点で交わる歯車(すぐばかさ歯車、曲がりかさ歯車)
・2軸が食い違い、平行でもなければ交わりもしない歯車(ラック&ピニオン、ねじ歯車、ウォームギヤ、ハイポイトギヤ)
歯車製図の規格では、一般的な機械に用いる以下の8種類歯車(主として、インボリュート歯車)の製図について規定しています。
2. 歯車図面の例
歯車の図示方法は、JISによって規定されています。軸に直角な方向(歯すじが見える方向)から見た図を正面図とし、軸線を水平に配置します。円周上に存在する歯車の歯は、インボリュート歯形という突起が一般的です。ただし、投影図では歯形を描きません、そこで、歯形の代わりに簡略図を用います(図1)。以下に、簡略図の描き方を示します。
・歯先円(歯の先端)は、太い実線で表します。
・基準円(互いの歯の噛み合い中心線)は、細い一点鎖線で表します。以前はピッチ円と呼んでいましたが改定により基準円に変更されました。
・歯底円(歯の谷底)は、細い実線で表します。ただし、正面図を断面図で図示するときは、歯底の線は太い実線で表します。
はすば歯車(歯が軸線に対して傾いている歯車)は、歯すじ方法を図示します。外形図で表す場合、歯すじ方向は3本の細い実線で表します(図2左)。断面図で表す場合、歯すじ方向は外形図にしたときに見える歯すじ方向を、3本の細い2点鎖線(想像線)で表します(図2右)。
一般的な歯車の製図は、歯切り加工前の形状(ブランク)を表す寸法線と、機能上必要とされる寸法公差や幾何公差とともに、歯車諸元表を同一図面内に記入します。歯車諸元表とは、製作する歯車の諸元(モジュール、歯数、工具圧力角など)や、相手歯車との中心間距離、加工方法などを記入したものです(図3)。
3. ばねの種類
4. ばね図面の例
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 サイズ公差の表し方
- 第2回 寸法公差、許容差とは
- 第3回 表面性状の考え方の基本
- 第4回 表面性状の表し方
- 第5回 ねじの製図
- 第6回 歯車とばねの製図