前回は、キャッシュフロー計算書の分析方法を紹介しました。最終回となる今回は、貸借対照表の構造について解説します。
第6回「貸借対照表の構造を理解する」を解説していきます。
1. 貸借対照表(バランスシート)の構造
貸借対照表は、英語ではバランスシート(Balance Sheet)といいます(以下BS)。バランスは「てんびん」のことで、BSの左(借方)と、右(貸方)の合計金額がぴったり一致するという意味です。これは、無理やり一致させるのではなく、自動的に一致するものです。もし一致しなければ、作成の過程でどこかに間違いがあるということです。
また、BSには、借方と貸方に書かれた科目・金額を照らし合わせた表という意味もあります。単に科目と数字を並べたものではなく、そこには深い意味があります。以下で詳しく説明します。
企業は「複式簿記」によって取引を処理しなくてはなりません。複式簿記の意味は、1件の取引を借方と貸方の勘定科目で表現するということです。つまり、視点を変えて表現するのです。例えば商品を販売した時、借方 売掛金100万円 貸方 売上100万円と処理します。これは、商品100万円を販売して、その対価として100万円の債権を受け取ったことを表しています。
さてBSの構造を見ていきましょう。企業会計原則には「貸借対照表は、企業の財政状態を明らかにするため、貸借対照表日(決算年度末)におけるすべての資産、負債及び資本を記載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなければならない」と定められています。
ここで財政とは、会社のお金、すなわち資金(=資本)のことです。財政状態とは、資金をどこから調達して、どのように運用したかという意味です。BSは、決算年度末時点の資金の調達と運用の状態を表しています(図1)。
2. 他人資本と自己資本
資金の調達元は、「他人資本」と「自己資本」に分類できます。
(1)他人資本
仕入業者、銀行、社債権者など第三者から調達した資金です。買掛金、銀行借入金、社債などがあり、他人資本、または負債といいます。特に利息を支払う負債を有利子負債といいます。
負債のうち、およそ1年以内に現金が支出されるものを流動負債。これに対して、銀行借入や社債など1年を超えて返済期限が到来するものを固定負債といいます。
(2)自己資本
自己資本は、株主によって払い込まれた資本(資本金、資本剰余金)や、商売で増やした利益の累計(利益剰余金)から構成されます。
自己資本には、他人負債のように資金の返済義務はありません。したがって、総資本のうち自己資本の占める割合が大きい会社ほど、財務体質は健全だといえます。
3. 資金の運用
4. ビジネスマンなら知っておくべきBS分析指標
5. 安全性分析
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 なぜ管理会計が必要なのか
- 第2回 利益とは何か
- 第3回 経営ビジョンは北極星
- 第4回 原価の本質を理解する
- 第5回 キャッシュフロー計算書を理解する
- 第6回 貸借対照表の構造を理解する