キャッシュフロー計算書を理解する|管理会計の基礎知識5

管理会計の基礎知識
著者:LEC会計大学院 客員教授 林 總

前回は、原価の本質について解説しました。今回は、キャッシュフローについて取り上げます。

第5回「キャッシュフロー計算書を理解する」を解説していきます。

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1. 決算書は嘘をつく

これまで解説してきたとおり、基本となる決算書は、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の3種類です。ではこの中で、「会社の真の姿」を最もよく表しているのはどの決算書でしょうか?

会計の初学者は、損益計算書と答えます。しかし、この連載の読者である皆さんであれば、それは正しくないことは既にお分かりでしょう。なぜなら、損益計算書は嘘をつくからです。嘘をつくというのは、「利益イコール現金」は誤解であることを意味しています。しかも、利益は簡単に操作できるのです。

ドラッカーは、こんな名言を残しています。

「会計システムのどの部分が信用でき、どの部分が信用できないかは明らかである。われわれがとうてい歩くべきではない薄氷の上にいることは明らかである。最近、キャッシュフローが重視されるようになったのも、会計学の二年生でさえ損益計算書は化粧できるからである。」(出典:ピーター・F・ドラッカー、ネクスト・ソサエティ、ダイヤモンド社、2007年)

2. キャッシュフロー計算書は現金の流れを大づかみする

キャッシュフロー(CF)は、「お金そのものの増減額」と「お金の流れ」という意味で使われます。お金が回っていることは、企業が存続する大前提であり、このお金の流れを大づかみするための決算書がキャッシュフロー計算書です。

繰り返しになりますが、会社が存続するための前提条件は、お金が途絶えることなく回り続けることです。お金の流れが止まるということは心肺停止と同じで、会社の終わりを意味します。

赤字であろうと、債務超過であろうと、お金が回り続けていれば会社は絶対につぶれません。とはいえ、その場合、お金は正常に流れているわけではありません。正常に流れるとは、商売でもうけたお金が投資に回り、借入金の返済に回り、再び商売に使われるということです。損益計算書ではお金の流れはわかりません。そこで、第三の決算書として、現金収支に色づけしたキャッシュフロー計算書が必要となります。

3. キャッシュフロー計算書の構造を理解する

4. 健全な会社は、フリーキャッシュフローが黒字になる

5. 営業キャッシュフローの動きを一発で読み解く

6. 営業キャッシュフローから何を読み取るか

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全6回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 なぜ管理会計が必要なのか
  • 第2回 利益とは何か
  • 第3回 経営ビジョンは北極星
  • 第4回 原価の本質を理解する
  • 第5回 キャッシュフロー計算書を理解する
  • 第6回 貸借対照表の構造を理解する

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