前回は、油圧バルブの中から、機械制御によって作動する機械操作弁の構造と作動原理を解説しました。今回は、電気制御によって作動する電気操作弁を取り上げます。
第7回「電気操作弁の構造と作動原理」を解説していきます。
1. 電気操作弁とは
電気操作弁は、電気制御によって作動するバルブです。電気操作弁のうち、連続した入力信号に追従して、油圧システムの流体エネルギーを連続的に制御する弁を、連続制御弁と呼びます。連続制御弁には、比例制御弁とサーボ弁の2 種類があります(図1)。
比例制御弁は、コントローラを経てアンプに指令信号が与えられると、信号に従って作動油の流れ方向と流量を比例制御弁が定め、シリンダを動かします。これに対してサーボ弁は、油圧アクチュエータ(シリンダ)に取り付けられたセンサ(位置、速度、圧力、力など)からのフィードバック信号を受け、指令信号との偏差に基づいて、サーボ弁を駆動します。比例制御弁は開ループ制御、サーボ弁は閉ループ制御です。
比例制御弁は構造が単純なので、安価かつ手軽に扱うことができます。また、作動油のコンタミネーション(汚染)管理をそれほど必要としません。一方、サーボ弁は高応答な動特性と、連続信号に対する優れた追従性を備えているため、高い制御精度と分解能を得ることができます。
2. 比例制御弁
比例制御弁は、入力信号に比例した圧力や流量を、出力として制御できるバルブです。通常の制御弁では調整ねじによって行う動作を電気信号に置き換えることで、圧力、流量、方向を、遠隔から連続的に制御できます。比例電磁式制御弁、あるいは比例弁とも呼ばれます。
図2に、比例制御弁の作動原理の一例として、電磁比例リリーフ弁の構造を示します。電磁比例リリーフ弁は、回路内の圧力を設定値に保持するために用います。直動形リリーフ弁の圧力調整ねじの代わりに、比例ソレノイドで圧力を調整します。
比例ソレノイド中のコイルに電流iが加わると、それに比例した吸引力Fが生じます。吸引力Fによって、アーマチュア(可動鉄心、電機子)はばねに抗してx軸方向に動き、ロッドを介して、ポペットを弁座に押し付けます。ポペットへの入口ポートの圧力pinによる力が、吸引力とばね力に打ち勝つと、ポペットは弁座から離れ、作動油は出口ポートに流れて油タンクに至ります。比例ソレノイドによる吸引力Fは、アーマチュアのストロークに依存せず、一定の範囲内に収まり、安定した性能が得られます。
3. サーボ弁
全10回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 油圧の原理と油圧システム
- 第2回 作動油の種類と性質
- 第3回 作動油の流れ
- 第4回 油圧ポンプの構造と作動原理
- 第5回 油圧アクチュエータの構造と作動原理
- 第6回 油圧バルブの構造と作動原理
- 第7回 電気操作弁の構造と作動原理
- 第8回 アキュムレータとフィルタ
- 第9回 熱交換器、圧力計、油タンク、配管、電動機
- 第10回 油圧の動向とハイブリッド技術